福岡県は、2005年度から続けているリサイクル施設整備に対する補助金交付について、08年度は宮若市のシタマ石灰(有)、北九州市のヤクシン開発(株)、柳川市の(株)大坪砕石の事業計画を選定したと発表した。
同事業は、産業廃棄物税の税収を活用し、循環型社会の形成に寄与する効果が大きい産業廃棄物のリサイクル施設の整備に対して補助金を交付する制度。
今年度は6件の事業計画の応募があり、有識者等による審査委員会で、技術の先導性、リサイクル効果、県内への波及効果、事業の確実性等の観点から審査し、3件の事業計画が選定された。
事業計画と選定理由は次のとおり
●シタマ石灰(有) 福岡県宮若市湯原547
「規格外品や返品された使用済乾燥剤のリサイクル事業」補助金交付予定額:1,350万円
【選定理由】規格外品や返品された乾燥剤は、産業廃棄物として最終処分されているのが現状である。この事業は、乾燥剤メーカーから排出される、規格外品や返品された使用済乾燥剤から中身の石灰を取り出し、粉砕・微粒化したものを結合材として造粒型消石灰を製造し、農業用土壌改良材として販売を行う事業である。販売ルートも確定しており、事業の確実性も高く、乾燥剤の再資源化に貢献するものである。
●ヤクシン開発(株) 福岡県北九州市八幡西区楠橋西2-13-8
「混合産業廃棄物のリサイクル事業」補助金交付予定額:1,622万円
【選定理由】混合産業廃棄物の選別はほとんどが手選別で行っているため、40mm以下のものについては、分別が出来ず最終処分を行っているのが現状である。この事業は、中間処理として受入れている混合産業廃棄物を、振動式選別機、吸引式風力式選別機を導入することにより40mm以下のものについても分別が可能になり、路盤材、埋戻材、燃料、金属屑等に製品化して販売等を行う事業である。40mm以下のものについても分別が可能になったため、最終処分量の軽減が期待できる。
●(株)大坪砕石 福岡県柳川市大和町徳益416
「廃石膏粉の熱処理による固化材等製造事業」補助金交付予定額:2,270万1,000円
【選定理由】廃石膏粉については、大半が最終処分されているのが現状である。この事業は、廃石膏ボードから紙を分離した後の廃石膏粉を、IH(高周波)乾燥機(キルン)により熱処理を行い半水石膏を製造し、建設発生土の改良材として使用するほか、固化材及び地盤改良材の原料として販売を行う事業である。これにより、本県の建設廃棄物の減量化、再資源化に貢献するものと期待される。また、IHキルンの特徴としては、熱効率が高く安定して加熱を行い、電気のみで稼働するため、水蒸気しか発生せずクリーンで環境に配慮したシステムとなっている。
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