「猿回しが猿にドングリの実を与えるのに、朝三つ暮れに四つとしたところ、少ないと猿が怒ったので、朝四つ暮れに三つとしたら喜んだ」という有名な寓話がある。
今回の「定額給付金」は国民一人当たり1万2,000円を与えるが、2~3年後から消費税の増額という方法で、その何倍の金を、ずっと国民から頂こうという、まさに「朝三暮四」の寓話を地で行くような話である。しかし、賢明な国民は騙されず、世論調査によると、約6割は反対である。
ある地方紙によると、「給付金の総額の2兆円という金で、脱少子化の火急の課題として、保育所新設の事業費を全国平均4億円と見積もれば、5,000ケ所を整備できる。約2万人いる待機児童の問題はあっという間に解決する。」と指摘している。
これを地方の景気対策として、中小業者に発注すれば雇用も増える。他にも有効な対策は幾らでもある。せっかく集めた税金を多くの手間と経費を使って返すなどの愚策は撤回すべきだ。
子曰く、「過てば、すなわち改むるに憚ること勿かれ!」と。
篠田 栄太郎(71歳、団体役員)
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