景気悪化による消費マインドの低下、飲酒運転の規制強化で逆風が吹き荒れる外食産業界。外食産業界を陰ながら支える店舗内装工事業者の多くは、個人飲食店の出店が滞っている為、苦戦を強いられている。「売上げは前年の約半分まで落ち込みました。新規の出店の案件がとても少なくなり、店舗の一部のリニューアル工事(改修)がかなり増えた」というのは、とある業界関係者。金融機関の法人に対する融資が難しくなっているが個人も無関係ではなく、以前ならば個人でも技術さえあれば比較的容易に独立して店舗をオープンさせることが出来たのが、これだけ景況感が悪化した現代では、そう簡単には融資がおりなくなった事が背景にはある。「今までは、飲食店の開業希望者は、まず店舗で修行して技術を身につけて独立する人たちが多かった。あまり景気に左右されない業界であるため、銀行も比較的融資をしやすかったはず。でも、これだけ景気が悪化すればそれどころではなくなっています。しかし、独立しにくくなれば、飲食店で働く従業員にとって、何をモチベーションにして仕事をしてよいのかがわからなくなるでしょう」と前出の業界関係者は語る。不況に強い業種とも言われた外食産業界ではあるが、この事態を打開するためには、従来のやり方通りではなく、大きな変化が求められているということか。
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