福岡県などが17日、(株)中小企業倒産防止開発機構(本社:博多区、徳川高人代表)の強制捜索を行ったことはすでに報じた通りである。個人住民税などを滞納し、督促にも応じないとして同社の財産を差し押さえている。
中小企業倒産防止開発機構は2005年8月に法人設立されたもので、06年5月に営業を開始している。中小企業を救済し、企業の再生を円滑に行えるよう支援・救済する企業として設立したとの触れ込みだが、最近では複数の訴訟を抱えるなどトラブルが絶えない。
代表の徳川氏は、いろいろな意味で有名な人物。95年、99年の県知事選に無所属で立候補したこともある。だが95年の県知事選では、選挙運動期間中に福岡地裁から破産宣告を受けた。94年12月に取引先に対して2,000万円を超える不払いがあり、その取引先に破産を申し立てられたためだ。また95年7月から10月にかけて同氏に関するトラブルが頻発。当時、マスコミには「解決料として現金をだまし取った」「架空の投資話で現金をだまし取った」などと報じられている。
最近の訴訟の中でも「手形は正当な手続きで振り出されたものではなく、徳川に詐取され偽造されたもの。徳川が勝手に額面を記載し、自らの借受債務の支払用に振り出された」とか、「中小企業倒産防止開発機構はまったくの詐欺集団」といった主張が見受けられる。
また未収金の支払いを求めて同機構を工事業者が訴えた裁判では、同機構に対して1億2,000万円余りの支払いを命じる判決が福岡地裁で言い渡されている。
こうしたトラブルは氷山の一角と言われているが、徐々に全容が明らかになってくるだろう。
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