中国海軍が航空母艦を建造し、前線に配備する意向を固めたとの見方が強まっている。17日付の英紙『フィナンシャル・タイムズ』のインタビューに答えた中国国防省外事弁公室の銭利華主任(少将)が、空母開発に前向きな発言をしたことによる。
また、19日付の香港紙『サウス・チャイナ・モーニング・ポスト』によれば、上海の軍事専門家が空母艦隊を編成する艦艇の建造現場を訪れた際、同海軍が既に空母の建造に着手していることを確認したという。担当将校からの説明を受けており、建造中の空母は原子力ではなく、通常推進型とのこと。就役は4年後で、艦載機数は60機以下となる見込み。南シナ海などを管轄する南洋艦隊に配備予定とされる。
英紙とのインタビューの中で銭主任は、建造の決定が事実であるか否かについては言及を避けながらも、「海洋大国であれば、空母を持ちたいと夢見るのは当然」と述べており、米軍も強い関心を示している。
中国海軍が空母を建造することは、同海軍が「沿岸型海軍」から「外洋型海軍」へと足を踏み出すことを意味しており、シーレーンの安定と確保が不可欠であるわが国にとっては、看過しえない情報であるといえよう。
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