上海環球金融中心の開業
今年8月30日、森ビル(株)は超高層複合ビル「上海環球金融中心」(SWFC)を開業した。高さ492m、101階建て。金融センターである陸家嘴地区に位置し、94階・97階・100階(最高474m)の展望台、パークハイアットホテル、国際会議対応のフォーラム施設、メディアセンターや商業施設などを備えている。「最高フロア高さ」「軒高」「展望台」は、08年10月現在で世界一の高さを誇る。
01年の完成を目指して97年10月に着工したが、直後のアジア通貨危機などで計画が2度頓挫。しかし、その後も中国経済が好調なのを受けて計画を見直し、03年にプロジェクトが再始動、04年11月に建設を再開した。
このころ、上海の不動産市況は好調が続いていた。アジア通貨危機の影響で98年は空室率が一時60%以上となった時期もあったが、その後は景気回復と外資系企業の進出、地元企業の業容拡大などを背景に相次いでオフィスビル建設が進められた。
上海には、東京やニューヨークなどに比べて設備が整った高級オフィスが少なかった。一方で、テナント需要は高まり空室率は03年の15%から07年第2四半期(4~6月)には2.6%にまで低下していた(ジョーンズ・ラング・ラサールの調査)。
【大根田康介】
~つづく~
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