民主党・栃木義博福岡市議による、議会での発言(こども病院人口島移転の是非を問う住民投票条例案への反対討論)について検証していく。(発言の全文は26日に掲載)
栃木市議はその発言の冒頭、本条例案が「法律論の観点から妥当性を欠き、かつ政策的合理性の観点から非現実的であると評価し・・・」とする。栃木氏が筆をとった文章なのかどうか分からないが、本当に意味を理解しているのか疑問を感じる。
そもそも「法律論の観点から妥当性を欠く」とする条例案が、なぜ福岡市議会で審議されるのか。自分たちのやっていることを頭から否定しているわけだが、十分な理解の上で発言しているとは思えない。栃木氏は「『今回出された条例案は』というのが主語ですから。間違えないで下さいよ」と言うのだが、この文章からは住民投票条例そのものが、法律論の観点から妥当性を欠いているとしか読み取れない。それはまた、この後に続く発言内容を見ていけばすぐに分かる。
住民投票を求める直接請求権は、我が国の法体系の中で認められたものである。民主党が、現行の住民投票制度に反対したという話は、少なくとも今回まで聞いたことがない。
法的裏付けがあるからこそ、今回の条例案は市議会で審議されているのであって、法律論をふりかざすのは、この場合無意味と言っておきたい。審議されるべきは、条例案の中身なのだ。
格好つけて難しい言葉を並べてみただけ、というのであれば、本会議場での発言としてはレベルが低すぎる。市民に対し、分かりやすく説明することが義務ともいえる「市議」としては、発言の冒頭から陳腐なスタートを切ったに過ぎないのではないか。
つづく
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