麻生首相が、新総合経済対策に基づく08年度第2次補正予算案(2次補正)の国会提出を、来年1月と明言した。「迷走」としか言いようがない。
「政局より景気対策」として総選挙を先送り、10月30日には首相自ら「定額給付金」「高速通行料金1,000円」などの目玉施策と、3年後の消費税アップを打ち出した。
天下の愚策とされる「定額給付金」に批判が集中、さらに政権への支持率が下がり続ける中、なぜか2次補正の扱いはたな晒し状態に。民主党から今国会への2次補正予算案提出を迫られると、小沢民主党代表に責任をなすりつけ、問題を先送りした。
「12月は税制改正、09年度予算の編成に全力を挙げる」としているが、それならなぜ10月30日の段階で2次補正の中身をぶち上げたのだろう。年末に向けての対策は1次補正分で充分としているが、現実には倒産や倒産寸前の企業が加速度的に増えている。世界のトヨタも例外ではなく、テレビコマーシャルを減らすどころか、減産、リストラで深刻な状況。何をもって「1次補正で充分」とするのか、理解に苦しむ。
10月に公表した2次補正の評判がよければ、即解散のつもりだったのだろうが、あてがはずれたというのが真相だろう。