世界的金融不安とニューシティ・レジデンス投資法人(NCR)破綻がJ-REIT市場に暗い影を落としている。格付けの格下げを余儀なくされているJリートがここ最近、急激に増えてきた。直近1カ月の格付けを以下に掲げておく。
とくに格付投資情報センター(R&I)はNCR破綻で「A」と「A-」を付与している14社について一斉に格付けの緊急見直しを行なった。その結果、7社を格下げ、うち2社(日本コマーシャル、日本レジデンシャル)をモニター指定にした。
不動産市況の悪化や有利子負債などが業績に与える影響から格下げの方向となっている。また、ジョイント・リートのように新規物件の取得予定日を先延ばしせざるを得ないほど、資金調達に苦しんでいるところも出てきた。
福岡には福岡リートがあり、こちらも分配金をかなり苦労して捻出していると聞かれる。また、人工島にもニューシティ・コーポレーション(NCRの設立母体のひとつ)が購入予定の物件があるが、交渉が難航しているようだ。
J-REITは新しい局面を迎えている。明日から市場の現状について、レポートする。