31日、大阪府（橋本徹知事）が政務調査費の返還を求めて現職の府議、元府議ら計14人を大阪地裁に提訴した。同種の訴訟は全国で初めてとされる。
　大阪府議会においては、2004年、05年度の政務調査費のうち、約3億4,000万円が目的外使用であるとして、府監査委員が認定。知事（当時は太田房江氏）の求めに応じて返還した府議以外の14名がこれに応じていなかった。今回提訴された返還請求額は約3,500万円。
　
　昨年、弊社市政ニュースがスクープした福岡市議会の政務調査費不正使用問題。その後、市民オンブズマン福岡（児島研二代表幹事）が福岡地裁に、吉田宏市長を被告として、市議会へ目的外使用とされる政調費の返還を命じることを求める訴訟を起こしている。
　公判では、自民党、みらい福岡、公明党、民主党など全ての会派の弁護人が出そろったところだという。大阪府は監査委員が機能したが、福岡市の監査委員は市民オンブズマン福岡の住民監査請求を門前払いにしていた。本来なら吉田市長が市議らに返還を求める訴訟を起こすべき事案であるが、福岡市の場合、その市長に返還を促す訴訟を起こさなければならないという体たらく。いずれにしても、裁判の行方が注目される。