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嘘つき福岡市長の面目躍如
行政
2008年11月19日 09:38

住民投票条例制定「必要はない」
 
 18日、こども病院人工島移転の是非を市民に聞くための住民投票条例案が、市議会第2委員会で否決された。19日の本会議でも同様の結果となる見込みだ。議会審議のため条例案に対し吉田宏福岡市長が付した意見は「条例制定の必要はない」。市長就任時に繰り返した市民の意見を聞こうという姿勢は、かけらもなかった。

 吉田市長は、一昨年の市長選以来、「聞きたかけん」をキャッチコピーとして使い続けた。唐突にオリオンピック招致を打ち上げ、市民の反発を招いた山崎広太郎前市長を意識し、「市民の話を聞く市長」をアピールしたかったのだろう。市長になってからは、都合のいい相手だけを選んで「聞きたかけん」という集会を開いているが、市長の本質は「都合の悪いことは聞かない」であり、「都合の悪いことからは逃げる」体質は徹底している。

 吉田氏の市長就任以来、ネットIB取材班は市長陣営による公金詐欺まがいの「選挙カー疑惑」、「暴力団関連企業からの事務所賃借」「関連政治団体の公選法違反疑惑」などをスクープしてきた。市長公用車に女性2人を同乗させ、「飲み会」に向かっていたことも報じた。それらの疑惑について、これまで吉田市長もその関係者も一切、事実を語っていない。答えをはぐらかすのはましな方で、「取材拒否」「開き直り」「だんまり」とこれまでの歴代市長とも比べようのないお粗末さである。

 こども病院が人工島に移転すれば、救急も含めて、「搬送」に時間がかかり過ぎ、急患の幼子の命を危うくすることは確実である。地図を見れば小学生でも分かる理屈だ。それでも大丈夫だという根拠は市から何も示されていない。「はじめに人工島ありき」だったからこそ、理屈に合わないのである。要は、はじめから市長公約を守る意思がなかったのだ。

「白紙から見直した」の大嘘

 吉田市長が公約で「見直す」と訴えた人工島事業は「推進」に変節、同じく市立病院の移転問題も「こども病院だけを人工島へ」と支離滅裂な結論を出した。選挙の第一声を人工島で上げた人物とは思えない。公約違反とはつまり「嘘をついた」ということである。

 18日の市議会第2委員会で、吉田市長はこども病院移転問題を「白紙から検討した」と発言したが、大嘘である。人工島事業「検証・検討」自体がインチキだったことは、市役所が情報公開に応じた文書の数々が証明している(この点については詳細に報じてきたので省略する)。

 要望が多かったこども病院の現地建て替えについて、「否定するためのシミュレーション」を作成させていたことで、化けの皮は剥がれていたのだ。

 重ねて述べるが、「白紙から検討した」という市長の言葉は嘘である。事実関係を知る多くの市民が見守る議会の場で、嘘をつく市長は初めてである。民主党単独推薦の市長も歴代初だったが、今度の市長は暴力団関連企業から事務所を借り、公用車に女性を乗せるなど、「初」事の多い人である。

 「子どもの命を守りたい」との市民の願いを無情にも退け、「白紙から検討した」などと言い放つ市長。まさに面目躍如である。

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