12月をめどに福岡市での営業開始を目指していた福岡エムケイ株式会社が、18日、公正取引委員会九州事務所に対し、適当な排除措置を求める申告をしたと公表した。その理由として、地元福岡の社団法人「福岡市タクシー協会」などがLPガスなどの供給妨害や、無線免許取得妨害をしているとしている。
エムケイ株式会社(京都)経営企画室は、「戦うつもりなどありません。ただ、LPガススタンドでガスの供給が受けられないとか、社団法人福岡移動無線センターへの入会に困難をともなうとは思ってもみませんでした。ただ、この状態を放置していては営業開始がさらに遅れ、多くの関係者に迷惑をかけてしまいます。やむを得ず今回の申告に至ったものです」とまさに苦渋の決断と語る。
さらに、LPガススタンドへの圧力について聞いたところ、「スタンドの方としても地元業者さんとのこれまでのお付き合いもあるでしょうから、『圧力を受けた』と言ったかどうかは申し上げることはできませんが、お苦しい立場なのでしょう」とスタンド側への配慮を見せる。
一方の福岡市タクシー協会は、「圧力なんて、とんでもない。(エムケイ側が)宣伝のためにやったんでしょう。ガススタンドに聞かれたら分かりますよ。最終的に(許可を)決めるのは行政ですから」「はっきりしたことでは無いですが、移動無線センターへの入会申し込みを(エムケイ側が)14日に出されたそうで、26日か27日の理事会で、1回で決めると聞いてますよ」としている。
エムケイはタクシー業界の風雲児である。業界の規制緩和のきっかけを作ってきたという功績は自他ともに認めるところ。その独創的なサービスや低料金が、全国の同業者から恐れられてきたのも事実。そのエムケイの福岡参入は地元タクシー業界にとっては脅威に違いない。
消費者にとっては低料金、高サービスは望むところ。ぜひ「サービス」で競い合って欲しいものだ。昨今、あてにならない行政より、消費者に軍配を任せたほうが良いのかもしれない。