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政界インサイドレポート

麻生政権「タイタニック現象」が始まった(下)
政界インサイドレポート
2008年11月26日 08:00

◆自民党”麻生反乱軍”の行方
 民主党の小沢一郎・代表はそうした麻生政権内部の亀裂を見てそれまでの“融和的”な国会運営を転換し、麻生首相との党首会談で、「政局より政策というなら、臨時国会に補正予算案を提出せよ」と突きつけた。
 国会審議で麻生政権をとことん追い詰め、参院で「首相問責決議案」を可決して解散・総選挙に追い込もうという戦略だ。
「麻生首相は2兆円ばら撒きを表明した追加景気対策の記者会見で『赤字国債は発行しない』と約束したが、景気悪化による今年度の法人税収不足は6兆円に達し、赤字国債大量発行は避けられない。それがバレるから自民党は臨時国会に補正予算案を出したくない。赤字国債でバラ撒きをやり、2年後の消費税増税で穴埋めする麻生政策を徹底的に追及する」(民主党政調幹部)
 とはいえ、民主党が麻生政権を追い詰めれば追い詰めるほど、「解散権」を持つ麻生首相は政権にしがみつき、総選挙は先送りされる可能性が高い。
「それならそれでいい。来年9月の任期満了選挙になれば確実に政権交代になる」
 小沢側近はそれは百も承知だという。
 自民党内でも“反乱”が広がり始めた。塩崎恭久・元官房長官、渡辺喜美・元行革相ら「改革派」の中堅・若手議員たちが麻生首相に「補正予算提出」を要求し、総裁選で小池百合子氏を擁立した反主流派の中川秀直・元幹事長も「定額給付金」反対の声をあげるなど政権批判を強めている。
 とはいえ、自民党の反主流派も今や“麻生おろし”が難しいことはわかっている。
「安倍、福田、麻生と3回も看板を変えて、やっぱりダメでしたと4人目の総理をつくっても国民に呆れられて選挙には絶対勝てない。自民党そのものが役割を終えたと考えるべきだろう。麻生首相がこのまま解散・総選挙をできずに任期満了に近づけば、政界再編をにらんで自民党から新しい政治勢力が次々に飛び出す。民主党とそうした新党との連立政権ができる可能性が高い」
“反乱軍”の一人は「離党」を視野にそう語る。
 まさに麻生政権は「沈むタイタニック」と化そうとしている。

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