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特別取材

反発、勤務医全員が辞表 武雄市民病院移譲問題(2)
特別取材
2008年11月27日 09:20

市長、池友会と事前に接触

 武雄市民病院は移譲先を池友会に決め、市議会の議決も得ていた。医師の大量退職で今年4月から一時中断した24時間の救命救急医療体制も、池友会からの医師の派遣があって、8月から復活している。しかし、事態は市を二分する対立を生んだ。市長はどこでつまずき、リコールに至るほどの反発を買ったのか。

 関係者によると、局面は昨年12月の市議会だったという。「高度医療・救急救命医療を十分行えていない。武雄地区は医療の空自地帯であり、武雄市民病院は住民のニーズに応えていない」といった市長の発言が「誹謗中傷だ」と勤務医らの反発を招いた。

 また、市が市民病院の民間移譲方針を決定する前に、池友会関係者と接触していたことが明らかとなった。市幹部は「病院側から面会を求められれば、普通は断らない」と語るが、事前のやり取りで密約が交わされていなかったか。真相は藪の中だ。

 移譲先を池友会に決定した過程も不透明だ。市は移譲先を一般公募で決めてはいるが、公募期間はわずか2週間。諮問された市民病院移譲先選考委員会は非公開だった。「名前を明かせばいろんな影響がある」として委員長以外の委員の名前は明らかにしていない。議事録もなく、会議の中身を確認できる資料は、後でまとめられた「概要」のみだ。

 市は「きちんと公開できるものは出している」と主張するが、市民の財産を民間に移譲するという、最も透明性が求められる選考の情報としては、不十分だろう。情報公開の行革に明るい市長としても不自然だ。

病院職員次々退職

 2010年2月までは市直営となっているにもかかわらず、性急に進んでいく民間移譲。市長への不信感や反発は強まり、今年1月、院長を除く勤務医全員が辞職願を提出、以後、勤務医の引き上げが段階的に行なわれた。

 同院の医師は2004年には16人いたが、08年には12人、今年6月には5人だけとなった。「改革」を大義名分に進んでいった民間移譲だが、勤務医は「現場の努力は無視されている」と憤り、去っていった。トップダウンの政治手法は現場に混乱を招き、つまずいた。

 選考委は7月、民間移譲の優先交渉者を「池友会」に、次点を佐賀記念病院を経営している「敬愛会」(佐賀市高木瀬町)とし、市議会は池友会への譲渡議案を可決した。

 これを受け、池友会は8月から武雄市民病院に医師を派遣し、医師不足のため中断していた救急救命センターの24時間体制が復活した。ただ、現在の武雄市民病院で、民間移譲が決まる前からいる医師は、院長と副院長だけだ。(つづく)

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