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特別取材

SFCGの「犯罪」 怒り収まらぬ被害者たち(上)
特別取材
2008年11月21日 08:08

 「SFCGには私もエラい目に遭うたよ。こっちが知らんうちに連帯保証人にいきなり『カネ返せ』いうんやけん」と怒りが収まらないのは福岡県のさる中小企業社長のA氏。回転資金にSFCGの子会社、福岡アセットファイナンスから800万円借り、毎月順調に返済して残額が600万円まで減った今年の夏である。

「商工ファンド」の遺伝子

 当月分の返済が期日に間に合わなかった途端、A氏の連帯保証人B氏に同社から残額の一括返済を求める書類が送られてきた。仕事で留守中のB氏に代わり、封書を受け取って開けたのが奥さん。A氏はB家の親族とはいえ、夫がそんな大金の保証人になっていることを知らなかったから大変だ。
 「B家夫婦は大ゲンカしよるし、私も含めてスッタモンダ。とにかくこんな業者とは縁切りするのが先じゃ、となって残額を一括返済。しかし、返済用に調達した資金の後始末から夫婦間のシコリまで、まだまだ解決とはいかんよ」(A氏)。  
 同氏が嘆息するのも無理はない。金融機関は通常なら保証人に返済を求める前に、債務者本人にその旨を通告するものとA氏は思っていたからだ。しかし、SFCGにはそんな世間の常識は通用しない。  
 同社の旧社名は「商工ファンド」。同じくロプロに社名変更した旧「日榮」と並ぶ、いわゆる商工ローンの代表格だ。同社の特徴は、債務者より連帯保証人から債権回収すること。主債務者の返済が遅延すれば、いきなり保証人に返済を迫るのはもとより、その強引な取り立てが大きな社会問題となり、日榮とともに社長が国会喚問されたのは周知の通り。そして貸金業法違反で一定期間の業務停止処分も受けている。  
 そんな商工ファンドがSFCGに社名変更したり、旧支店を廃止して本社の下に各都道府県名をつけた「○○アセットファイナンス」という子会社が融資するかたちにしたところで、オーナーは同じ大島健伸氏。同社の遺伝子が温存されているのも当然だ。 (つづく)

恩田 勝亘【おんだ・かつのぶ】
1943年生まれ。67年より女性誌や雑誌のライター。71年より『週刊現代』記者として長年スクープを連発。2007年からはフリーに転じ、政治・経済・社会問題とテーマは幅広い。チェルノブイリ原子力発電所現地特派員レポートなどで健筆を振るっている。著書に『東京電力・帝国の暗黒』(七つ森書館)、『原発に子孫の命は売れない ― 舛倉隆と棚塩原発反対同盟23年の闘い』(七つ森書館)。

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