従業員が自社定番商品に殺虫剤を混入し、その従業員が自殺した事で幕を閉じた(株)もち吉騒動。社員による“食品テロ事件”により、同社並びに消費者に不安感を与えてしまったが、食品製造の現場での安全管理面にも与えた影響は大きいようだ。「今まで食品偽装事件が多発しているのを受けて、表示の面や作業過程の指導を上(行政)から受けていましたが、(もち吉)騒動以来、そこに働く従業員にまで気を配れと言われるようになりました。いくらなんでもそれはあんまりだと思います」と業界関係者は語る。食品製造業の多くは信用と信頼関係の下、共に働いている中小零細企業が多い。仲間を疑ってかかる仕事ほど楽しくないだろうが、従業員一人ひとりの人間関係や個人の問題全てを経営者らが掌握する事もかなり困難な話である。従業員数百名、数万名にのぼる大企業ならなおさらだ。
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