ネットアイビーニュース

NET-IB NEWSネットアイビーニュース

サイト内検索


カテゴリで選ぶ
コンテンツで選ぶ
会社情報

特別取材

福岡県久山町長 久芳(くば) 菊司氏 (中) | コダマが聞く
特別取材
2008年12月 2日 09:30

自立した久山町、農業と都市の共存へ

 福岡県久山町長 久芳(くば) 菊司氏児玉
 人口はマスタープランの1万3,500人の実現に向けてどう考えておらますか。
久芳 
 まず1万人は早く達成したいと思っています。地区計画で30区画から50区画の規模で集落周辺の農地の住宅化を進めていますが、居住者は30歳代が主です。久山カントリーの上に185区画を準備していますが、公務員を中心に若い人たちが多くなってきました。子育ての環境が良いなどに依るものでしょう。景観を維持しながら若い人向けの賃貸住宅を建てていく必要はあります。久山町は持ち家がほとんどで集合住宅が少なく、一気には増えないと思いますので、地域によっては集合住宅を建設したいと思っています。ただ建築基準法の関係もあり、トリアスや下久原付近に限られると思います。久山町には鉄道が敷かれておらず不便だという声もありますが、自動車社会だからそんなことはないと思います。実際に賃貸住宅が建てられている途中から満杯になるぐらいですから、需要は高いと思います。農業と都市の共存という視点から、農地を守っている人たちの生計を考えていく必要もあります。そのために、一部は資産運用できるようにしていかねばなりません。

児玉
 合併についてどう考えておられますか。

久芳 
 この4年間は合併に向けて動くということはせず、まず久山町が独自に生きていくにはどうしたらよいのかということを考えていこうと、職員にも言っております。

 今日の新聞に、「平成の合併は終止符を打つ」という国の方針が載っていました。国もいいかげんですね。3,000あった自治体を1,000にするということでしたが、政府は「2,000になればいいだろうと思っていたが1,700ぐらいになったからもう十分だ」という言い方をしています。市町村は翻弄されていますね。分権のための受け皿づくり、というより国の財政事情が理由です。久山町は小さいけれど、交付税への依存率は比較的低いほうで、財政力指数は0,8程度です。町の住民は福岡市で働く給与所得者が大半で、住民1人あたりの税額は県下で第2位であります。したがって、財政構造は安定した町だと言えます。

 先の合併問題については6町という枠組みだけが先に決められて、住民の意識を高めるまでには至っていませんでした。合併の目指す方向性が議論されることなく6町合併が動き出しましたから、合併したら、むしろ行政サービスが低下するのではないかという不安を抱かれた住民が多かったのではないでしょうか。

 今、国が検証しているのも、「平成の合併」によって自治体の職員や特別職の削減効果はあったけれども、合併に追いやられた自治体は財政が貧しいところで、貧しい自治体同士で合併しているので、結局はその弊害がたくさん出てきている、ということです。合併したら必ず施設の統廃合をしなければいけない。また大きな合併になると過疎化が進んだり、行政サービスが低下するという問題が出てきています。

児玉
 物流の拠点づくりなどについては、この経済状況が厳しい時にどうされますか。
久芳 
 厳しいからと言ってじっとしているわけにはいきませんから、企業団地建設の準備は進めたいと思います。久山町は立地の面で優れているので需要は高いと思っています。いつ経済状況が変わっても、受け入れが出来る準備はしていきたいと思います。
健康づくりの新たな発展へ

児玉
 これまでの久山町の歴史を活かせば、健康問題に関する新しいプランなど、久山町らしさをもっと出すことが出来ると思いますが。
久芳
 久山町は都市政策だけでなく、住民の健康に取り組んできましたので、これは着実に進めていきたいと思っています。九州大学によって基礎作りから行なわれ、健診内容は全国一だと思っています。当初は内科だけでしたが、小児科などにまで広がっています。

 今後は健診から一歩進んで、個人個人に対応するオーダメイドの健康指導ができるように、中間法人で遺伝子研究が進められています。久山町民のデータ蓄積に対する協力は、社会的貢献であるとの自負を持っています。高度な健診によって早期発見で命を救われた人も多い一方、糖尿病に代表されるように、重症化する一歩手前の段階での指導に力を入れていかねばならないという課題があります。そのためには住民にいかに具体的に気づいてもらうかが大事で、医師の関与が必要になります。国保財政も逼迫しており、九大の協力を得て予防に力を入れていきたいと考えています。

 中間法人の研究費用などは寄付や助成金などで運営されていますが、そこで資金を産めるようになればいいのですが。



※記事へのご意見はこちら

特別取材一覧
NET-IB NEWS メールマガジン 登録・解除
純広告用レクタングル

2012年流通特集号
純広告VT
純広告VT
純広告VT

IMPACT用レクタングル


MicroAdT用レクタングル