ある人が「最近事業が上向きだ」という内装工事業A社・社長との雑談中、エアコンの話題になった。自宅の配管が劣化していることを伝えると業者を手配してくれるという。ところが1週間経過しても何らコンタクトがない。別の用件で連絡を取ってみたがエアコンについての話題は出ない。A社社長から「エアコン工事ほど儲からず手間が掛かるものはない」と聞いていただけに続けて依頼しにくい。別の設備工事業者B社・社長に些細な工事が可能か聞いてみたという。「可能なので手配する」と即答を得、翌日に、工事が完了してしまった。A社の件があるのでB社のすばやい対応に舌を巻いたそうだが、B社社長は儲からない業務だったことには一切触れず「それが仕事」と割り切っている。
A社社長は6年前に不渡りを出し、自己破産を申請した経緯がある。その後、個人で今の事業を始め軌道に乗ったところで法人化した。一方のB社社長は先代の死去に伴い事業を引き継いだ。当初経営環境は厳しかったが、苦労の末瞬く間に会社を回復させている。
A社の件を聞いたB社社長は「たまたまではないか。当社でも失念することはある」とどこまでも謙虚だったそうだ。
A社社長の人柄は悪くない。事業の更なる成功を願うばかりだが、B社との差は非常に大きいと思わざるを得ない。
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