2008年9月期のアパマンの売上高は、前期比7.9%ダウンの592億1,800万円、営業利益は92.4%ダウンの4億58百万円、経常利益は4億2,100万円の93.8%ダウン、当期利益に至っては70億3,300万円の赤字となった。
赤字の大きな原因は、特別損失を総額92億2,500万円計上したことである。主な特損内容は、不動産市場の急落による販売用不動産等への強制評価減の適用等により販売用不動産等評価損が31億700万円、のれん償却・固定資産評価損などの減損損失が18億8,600万円、株式相場の下落に伴う投資有価証券評価損が12億8,700万円、投資有価証券売却損が7億2,100万円等となっている。
その結果、自己資本(=純資産)が、前期143億9,800万円(13.6%)から43億7,300万円(4.4%)まで急落、100億2,500万円も減少している。今後増資の必要性も生じている。
同社の総資産は999億300万円 ⇒内訳、流動資産が457億6,000万円(内棚卸不動産265億2,000万円)、固定資産が538億9,700万円(内不動産209億1,000万円)、有利子負債は671億2,300万円 である。
なお、現預金は前期末126億500万円あったが、08年9月期末36億6,900万円と89億3,600万円減少している。
今回の決算後、気になるのは監査法人をトーマツから霞が関監査法人に変更したことである。評価に対する見解の相違が発生したのであろうか?
同社の赤字は、アパマンショップネットワークの業務から独自路線の投資用不動産事業へ走った帰結であろう。今後約1000店にも及ぶネットワーク店と連携した情報不動産業に徹すれば、利益回復は早いものとなろう。
※記事へのご意見はこちら