ネットアイビーニュース

NET-IB NEWSネットアイビーニュース

サイト内検索


カテゴリで選ぶ
コンテンツで選ぶ
会社情報

特別取材

地雷の危険と隣り合わせの駐在員生活 2004年度駐在員 古川純平氏 | CMC現地駐在員レポート(1)
特別取材
2008年12月15日 10:28

 大谷代表の地雷に対する強い怒りに共感し、非力な自分でも何か役に立てたらと思い参加したCMCの活動ですが、それまでボランティアなどに全く興味のなかった自分がカンボジア現地に赴任するとは思いもよらないことでした。しかしCMCのスタディツアーに参加し、日本から持っていった募金が現地の地雷撤去員や地雷被害者に直接手渡された瞬間、大きな感動が心と体を強く揺さぶりました。今思うとその感動が、現地で腰をすえて活動したいという気持ちのスタートだった気がします。

 私の役割は、まず、地雷原ボップイ村での小学校建設でした。建設の進捗状況を日本に報告するため、バッタンバン市内から2時間かけて何度もバイク通いしました。ある訪問のとき、村の中を散策しようと小学校裏の原っぱを歩き気がつくと荒地に立っていたことがありました。周りを見渡すとそこは棘のある木で囲まれており、ここに入ってはいけないという風でした。その瞬間ここは地雷原だと思い出し急激に心臓が高鳴りました。よく見ると囲っている棘の木に「地雷危険」の赤いドクロマークが無造作にかけてあるのです。・・・地雷を踏む・・・。その時に地雷の恐怖を強く感じました。

 また、地雷以外でも「貧困による劣悪な現実」を目の当たりにしました。医療調査でボップイ村の家々を訪問していた時、「私の子供のソパニンが半年前に大火傷を負って怪我をしているから見てくれ」とある家で言われました。そして藁葺き小屋の奥から出てきたその子供を見たとき、頭が真っ白になったのを覚えています。上半身の皮膚が焼けただれたまま放置された状態でどう見ても今すぐ手術しなければならない重症患者だったのです。その少女ソパニンは病院で治療を受けるお金がないため小屋の中で半年間も痛みに苦しみ毎日泣きながら耐えていたのです。

 そういった貧困の現実も日本ではニュースになりません。しかし悲惨な現実が実際に存在しています。大谷代表が日本で強く言っていた「まず現実を知ること」の重要性を改めて認識した1年となりました。

 ボップイ村の地雷撤去も終わり小学校も完成した後、私は次のプロジェクトに向け動き始めました。それは、地雷被害者のためのラジオ放送です。滞在中、多くの地雷被害者と会ってきましたが、手足を失った彼らは、仕事もなく、障害を負っているということで村にいても周囲の目が気になると言います。

 ただ、義足支援センターなどでは気持ちが分かり合える被害者同士で語らうことができ、心が楽になるということでした。私はその時取材でカンボジアを訪れていた北九州市の池口カメラマンから、ラジオを利用して被害者同士コミュニケーションできたらいいんじゃないか、というアイデアをもらいました。これが今も続くCMCラジオ番組「VOICE OF HEART」の始まりです。その番組が今も続いており、たくさんの地雷被害者を励まし続けていることが嬉しい限りです。

 また、現地で1年活動して確信したのは、現地活動を支えているのは日本国内での活動であるということです。私を含む歴代駐在員が携わっているすべての現地プロジェクトは、日本国内の支援がなければ成り立ちません。その結果、地雷撤去がストップし被害者が増えることになります。しかし国内支援が続く限り、確実に地雷は減り被害者は減っていきます。そのためにこれからもCMCの活動を通じて地雷被害をなくすための一助を担いたいと思います。

建設中のCMCボップイ安倍小学校 カンボジアのスーパースター、ソパット氏と カンボジアでTV出演


※記事へのご意見はこちら

特別取材一覧
NET-IB NEWS メールマガジン 登録・解除
純広告用レクタングル

2012年流通特集号
純広告VT
純広告VT
純広告VT

IMPACT用レクタングル


MicroAdT用レクタングル