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積水・大和特集

1億5千万円の意味するもの 積水・大和 巨額政治資金提供の闇(13)
積水・大和特集
2008年12月29日 09:38

 上野公成元官房副長官の関連政治団体に対する、積水ハウス・大和ハウス工業の政治資金提供額は1年3ヶ月で1億5,086万9,914円。尋常な金額ではない。07年、上野元副長官が立候補したのは参議院比例代表選出議員選挙である。同氏の選挙運動費用収支報告書によれば、当該選挙に関しての収入は5,127万8,000円、支出は4,552万7,203円となっている。選挙運動に関しての原資をたどれば、大半が自民党からの寄付となっている。収入にも支出にも問題はない。
 
 しかし、参院比例区といえば、かつては「銭酷区(全国区)」と揶揄されたほど金がかかることで知られる。当選するのに10億円かかるとも言われたほど。2001年から非拘束名簿式を採用しているが、金がかかる選挙であることに変わりはない。候補者自身、票の掘り起こしのため全国を飛び回るうえ、印刷物や郵便物は大変な数量にのぼる。選挙戦に至るまでの期間に、莫大な資金を要することは容易に想像がつく。上野元副長官の場合、自民支部を除く六つの関連政治団体が、06年・07年の2年間で4億円近くの金を集めている。選挙運動費用を含めれば、5億前後の資金が動いたことになる。

 参院比例区に出馬する候補者は、金と票を集めるため、特定の支持団体を持たざるを得ない。必然的に省庁ごとの利害に関する業界・団体との強いつながりを持つ役人は有利である。言い換えれば、事業を管理・監督する側が、される側の民間企業や団体から票と金を吸い上げてきたということ。当選したらもちろん省益優先、業界の代弁者という政治家が1人、誕生することになる。

 かつての自民党なら、例えば農水省から総合農政派の官僚と、土地改良(構造改善局)派の官僚を1名ずつ公認し、農協や土地改良区ごとに細かく支持・支援体制を敷いた。同様に、運輸省から、あるいは建設省からと「官僚」ばかりが参院議員に転身している。特定郵便局、日本医師会、農協、土地改良区、建設業界、軍恩連、遺族会・・・。ありとあらゆる業界・団体が自民党政治を支え続けてきたのである。主義・主張のみのつながりならまだ納得もできようが、事業がらみの票と金は「癒着」を招く。
 
 上野公成氏は、元官房副長官の要職にあっただけでなく、建設省官僚時代には「住宅局住環境整備室長」「住宅生産課長」「住宅建設課長」を歴任していた。官房副長官在任中は耐震偽装関連で名前の出た「日本ERI」からの献金受け取りが取りざたされたこともある。「日本ERI」は大和ハウスをはじめ大手住宅メーカーが出資した企業である。そして、07年選挙で落選した後も、積水ハウスや大和ハウス工業との特別な関係が続いている(この点については今後詳しく報じていく)。住宅メーカーにとって頼れる存在だからこそ、票と金を出したことは間違いあるまい。こうした構図こそ「癒着」といわれる。1億5千万円という金額は、「政・官・業」癒着の象徴ではないのだろうか。

つづく

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