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コダマの核心

歴史的価値観の激変による翻弄、生コン業界の救世主になるか 味岡和國氏(株式会社味岡社長)(1)
コダマの核心
2008年12月16日 15:01

日本は地方から崩壊する

株式会社味岡社長 味岡和國氏 熊本県球磨郡あさぎり町免田西3278番地に(株)味岡がある。免田西は球磨川の中継点・人吉市から市房山(九州山地中心部)に向かって20キロ奥にあり、免田冤罪事件で有名なところである。また昔は森林業で潤っていたが、現在はその面影を僅かしか残していない。いま残しているのは若者が故郷を離れ、老人しかいない「過疎化で将来、地域が崩壊する」という危機感だけである。

 この懸念は九州、いや全国の地方の小さい自治体の共通した問題である。少子化と高老齢化の急速化の問題は自治体を、いやもう少し厳密にいえば地域集落を崩壊させてしまう寸前のところにまできている。都会に住んでいればわからない。地方では生活の皮膚感覚で「あと10年もすれば自分の町内会、隣の集落は消滅するかもしれない」という認識がある。今度の総選挙では「地方から、田舎から自民党が惨敗する」ことが立証されるであろう。自民党の政治家たちはこの恐ろしい現実を理解していない。

 味岡和國氏も指摘する。「土建業界、木材業界、商工会、生コンの同業者が集まれば『次の選挙は自民党、民主党、共産党のどの党にも拘らない。仕事を持ってくるかどうかを優先して投票する』と異口同音に語っている。それだけ我が故郷の前途は厳しい」と。筆者の田舎も宮崎県の日向市である。帰省する度に「自分が生まれたこの町内は近々、人が零になってしまうのではないか」と切実に思う。故郷の小学校は一学年10名足らずと聞く。国道10号線、JR日豊本線に面した交通の要地ですら、こんな悲惨な状況である。

 日本の歴史上、これだけの地方の衰退を招いたことがあっただろうか。明治維新以来の富国強兵政策を推進するにしても豊かな田舎があってこそ、目標の達成が成りえたのだ。江戸時代においては270藩の藩主がそれぞれの地方経済・文化の繁栄を競い合ってきた。結果として各地区、各地方で個性豊かな生活基盤が築かれたのである。だが、第二次世界大戦敗北以降の日本の経済復興政策は地方の疲弊を生み出し、深刻な事態を招いている。日本の地方はまさしく、時代の激変に翻弄されているといえる。

貧困をバネにした逞しさ

 いまや「生コン業界の救世主になるか]と動向が注目されている(株)味岡の味岡氏は1947年生まれの61歳である。同氏の口癖は「貧困の環境の中でただ食うことだけに執念を燃やした」である。だからこそ同氏の叩き上げてきた生命力は100万力に値する。家庭の事情でやむなく熊本の高校を中退して郷里に帰ってきた。そこで事業を興した。だが、興したときは社長ではなかった。兄弟で土建業を始めたからだ。味岡氏は6人兄弟の4番目であるから事業開始当時にはトップになれなかった。そんな中、持ち前の負けん気の強さを発揮して強固な味岡建設グループの確立のために礎役を担った。自負心の強い同氏が「自分の会社を持ちたい」と行動に踏みだすのは時間の問題であった。(つづく)


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