▲帰福した大崎君を出迎える関係者(左)/福岡空港到着後記者会見にのぞむ大崎幸一君(右)
多くの善意に支えられた、一人の少年の瞳に希望がよみがえった。16日、アメリカでの心臓移植手術を終えた大崎幸一くん(15)を福岡空港で出迎えた。
福岡市西区在住の大崎幸一くんは11歳のときに、「特発性拡張型心筋症」という難病を発病。14歳になった幸一くんは、昨年8月、担当医から心臓移植を行なわなければ1年後の生存率は50%との診断を受けた。残された道は心臓移植しかなかったが、国内での移植手術には時間がかかるため海外での移植手術を選択した。
幸一くんの父親の友人などを中心に「幸一くんを助ける会」を結成。今年2月5日から募金活動を開始し、51日目の3月26日には目標額の9,000万円を達成した。4月16日にはアメリカ・コロンビア大学病院での移植手術を行なうために渡米していた。
検査しながらドナーを待つこととなった幸一くんだが、果たして幸一くんの体に合うドナーが現れるのか、不安は尽きなかったという。幸い6月17日にドナーが現れ、その翌日に心臓移植手術が行なわれる。手術は成功。拒絶反応も起こらず、半年間の検査リハビリを経て、12月9日に帰国した。大阪において1週間の検査の後、今日福岡に帰ってきた。
元気な様子で福岡空港に姿を見せた幸一くん。感染症の危険を避けるためにマスク着用での会見となったが、闘病生活で痩せていた時期と異なり、手術後の経過の順調さを物語るように、ややふっくらとなっていた。「これからは大好きなテニスやゲームなどやりたい」と幸一くん。
将来の夢は「医者になりたい」と言い、「大変だったけど、たくさんの人と出会えたことが嬉しかった」と夢を語る。大手術を終えた苦労を微塵も見せない笑顔が印象的だった。
幸一くんを支えた家族や同級生、学校関係の方々、寒い中、街頭募金で大声を張り上げボランティア活動を行なった人々は口を揃えて「逆に幸一くんから元気をもらったよ」とコメントする。善意の輪の結束力を改めて感じた。
※大崎幸一君の「崎」は「たつさき」
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