柳川市議会12月定例会一般質問2日目は、9日に引き続き少数与党の「柳志会」の3名が登壇した。いずれの発言も現市長を擁護し後押しするものであった。
そして3日目の11日は、議会多数派に属する4名が登場。
荒巻英樹議員は、柳川市情報化推進計画、ふるさと納税、福祉バス、トップセールスについて、市長の明確なリーダシップを求める質問を行なった。
続いて登壇した白谷義隆議員は冒頭、9日に伊藤議員が行なった「反対のための反対」という意見について、その発言の根拠を教えてもらいたい、悪意のある発言であれば人間として明確な説明があってしかるべきだ、と発言した。その後ピアス跡地の問題に移り、今議会でアスベスト調査委託費用として338万円余の補正予算を提案したことを追及した。
裁判ではなく別の手段を
白谷議員は、市長は今までアスベスト除去は「ピアス社の責任でやってもらう」ということで解決済みだと主張されてきたのに、今ごろ損害賠償の裁判を行なうというのでは市民の納得は得られない、と市長の考えを質した。
市長は、「ピアスは責任をもってやると言っていながら約束を履行していない。跡地の実情を十分に見せずに嘘の説明をして売りつけたので訴えなければならない」と答弁。
白谷議員は、「ピアスが約束した」と言われるがそういう文言はこれまでの経過を調べてみた限りでは存在しない。鑑定評価書では「外観による調査」、契約書では「現状有姿で引渡し」ということになっているので、買主の過失ということになる。それを今さらピアスから騙されたというのは乱暴な言い方だ、と追及。市長は、ピアスが約束を守らないから裁判で決着を図らなければならないと答弁し、双方の言い分は平行線をたどった。また白谷議員は、いま裁判を起こすとピアス跡地が永年にわたって事実上活用できなくなるので、債務不履行を解決するため、他の手段を探ることを提案した。
議員の発言や住民の権利を否定!?
さらに白谷議員は「議会の権能と住民参加」について次のように質した。
市長は議会や移動市長室で企業誘致の件について質問されると「こんなにガタガタして印象の悪い柳川には企業は来ませんよ」と答弁している。「印象が悪い」とは、「議員が議会でピアスのことなどで質問したり、市民が裁判を起こすことだ」と発言している。この発言は議員の発言や住民自治を否定するかのようなものだ、見解をお聞きしたいと迫った。
市長は「憲法やその他の法律で住民の権利は認められている。議会では粛々と議論されているのか。議員はその立場にふさわしい常識ある議論を。部分的なことばかりをあげつらって議論するのはいかがなものかと思う」と答弁。白谷議員は「言葉の端々ではない。市長は議員が質問したり、住民が裁判を起こすから企業が来ない」と発言しているのではないか、と再質問。市長は「そんなことは言っていない。私はガタガタした、紛争があるところには企業は来ないということを市民に言っているだけだ」と答弁。これまた平行線をたどった。
続いて矢ヶ部広巳議員が登壇、市長による市民、議員、職員に対する告訴事件の経過・結果を問い、議員自身に対する告訴の経過を質した。
市長は、刑事訴訟法に基づいて告発したものである。公序良俗を乱すことについて、市民に対し説明する必要が生じたため告訴したものであると、経過を述べた。矢ヶ部議員は、不起訴になった職員に対して謝罪すべきだ、また、少なくとも、不起訴が決まった時点でそのことを職員に話すべきだったと、市長の真意を質した。が、これについては、市長からは何の答弁もなかった。
その後議員は、8月22日に嬉野市で開かれたOB会に市長が公務として出席したことに触れ、公務のあり方、実態について質した。
最後に登壇した三小田一美議員は、ピアス跡地の活用、旧柳川ホテルの活用、有印公文書偽造容疑をめぐる信用失墜と責任の所在などで市長を追及した。
この日をもって一般質問は終了。波乱ぶくみで幕開けした12月議会の山場は、19日の最終日に移った。最終日は補正予算の採決と「石田市長の発言の矛盾点を解明する特別委員会」の最終報告が行なわれる予定だ。
来年4月に行なわれる柳川市長選に向け、現職と新人のあいだで攻防が激化していくことが反映される定例市議会は、大詰めとなった。
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