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特別取材

現地での苦闘 2008年度駐在員 砥綿泰弘氏 | CMC現地駐在員レポート(5)
特別取材
2008年12月19日 10:58

 2007年12月6日。空港からバタバタした中、辿りついた、初めての地カンボジア。シェムリアップ空港に降りた瞬間、生暖かい空気に体が覆われました。意外にもちゃんとした空港、設備があるのだなという印象でした。都市部はそれなりに発展している・・・しかし、活動をしていく中で、国境付近、農村地域を回り、それはごく一部のことであるということ、そして、都市部と農村との格差の大きさを実感しました。

 地雷に汚染された国であるということは、もちろん認識していましたが、その被害者を国境付近のみでなく、街の中で頻繁に目にしたことはショックでした。また、地雷被害だけでなく、様々な病気を抱えた人も数え切れないほど目にし、カンボジア国内の医療事情の悲惨さも目の当たりにすることになりました。

 自分が主となって関わった事業は、コーントライ中学校建設、ラジオ放送、ボップイ小教員宿舎・貯水タンク建設です。中でも、中学校建設は、物価高騰の著しい時期に直面し、頭を悩まされることが多かったです。2008年2月、すでに決定していた建設会社に、交渉に行く度、工事費が上がっていくという状況。手に負えない値段にまで到達し、それから他の建設会社、図面を試し、何度も見積もりを取り、見比べました。

 落成式の日取りがすでに確定していたため、交渉が長引くほど、建設期間が短くなり、落成式までに完成できるか危うくなります。予算と落成式の日取りの板挟みになり、1日中、頭からそれらが離れない日々が続きました。

 そして、5月12日、ようやく着工。着工以降は週1回の頻度で進捗状況を確認に行く中、ボップイ村、ラジオプロジェクトも同時に進め、忙しい日々を送りました。しかし、村に行くと先生や子供たちが屈託のない笑顔で迎えてくれ、カンボジア人の温かい素顔に触れることができ、現場にいる間は、不思議にも疲れを感じず、笑顔で過ごすことができました。

 9月22日、やっとの思いで学校が完成。その時の気持ちは、言葉では表せませんが、同時に安堵感でも心がいっぱいになりました。26日の落成式も無事に終了し、佐世保青年会議所のメンバーから笑顔がこぼれた時には、肩の力がすーっと抜けるような感覚でした。10月から新学期が始まり、120人の生徒ができたてほやほやの校舎で勉強しています。その姿とその時感じた気持は生涯忘れないと思います。

 CMCと関わって6年。CMCを通じて、同世代から小学生、お年寄りまで、幅広い世代の人と知り合い、時間を共有していることをうれしく思います。今回、この様な貴重な体験をさせていただいている大谷代表、自分のわがままを聞いてくださり、快く送り出してくれた両親、日本国内にて各方面から支援して下さっている方々、そして現地にて温かく見守ってくれている近所の皆様に、深く感謝いたします。

 最後に、少しでも多くの人が、飛行機でほんの数時間しか離れていない国で起こっている現実に目を向け、何かをしなければならないという強制ではないけれども、何かを身をもって感じてくれたらと思います。自分の肌で感じたことは、きっと心に刻まれると信じています。


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