上野公成元官房副長官側への政治資金提供について、積水、大和それぞれのパーティ券代金支払日順のリストを作成した(大和分は既報)。大和の支払い状況と積水のそれは、明らかに違う。政治資金提供額も、積水の場合7,886万9,914円で、大和の7,200万円より680万円ほど多いのだが、支払い方法もかなり違っていた。
(06年・07年 積水リスト参照)
06年 積水リスト >>
07年 積水リスト >>
一番の違いは、1回の支払額が異常に高いケースが散見されることである。積水が関わった政治資金パーティ50回のうち、1日に複数回のパーティ券代を支払ったケースは12回。大和が1日に支払った最高額は450万円だったのに対し、積水の最高額は1日になんと5回分750万円にのぼる。驚きの金額だ。
06年12月18日、積水は「環境問題研究会」主催の1回分と「高齢社会研究会」主催の3回分、さらに「上成会」主催分を合わせ、計5回の政治資金パーティに対する支出を行なっている。
さらに、4回分600万円を1日にまとめて支払ったケースが3回。06年12月8日、07年6月1日、同6月25日だ。3回分450万円をまとめて支出したのが06年9月15日、07年1月25日、同3月22日の3回。積水の「まとめ払い」は際立っている。
上野氏の元政策秘書は、「政治団体ごとに別々のテーマで政治資金パーティを開催し、別々の案内を出した。パーティ券代も政治団体ごとの別々の口座に振り込まれた」と説明しているが、支出側の積水の財布はひとつである。政治家側にとってはまとめ払いしてもらえるのはありがたいだろう。なにせ、上野元副長官関連の六つの政治団体(上成会・上野公成後援会・上野公成君を励ます会・環境問題研究会・高齢社会研究会・住宅政策研究会)は、名称こそ違うものの、主たる事務所の住所は皆同じなのである。東京都港区虎ノ門のビルの同じ部屋だったことは、届け出書類からも確認済みだ。しかも、同ビルは上野元副長官の07年参院選の「選挙事務所」としても使用されている。上野元副長官陣営の活動の本拠地だったビルである以上、政治団体名が違い、口座がちがっても、目的は上野元副長官の政治活動のためだったことに変わりはない。受ける側の財布も、事実上ひとつだったという見方は否定できまい。
例えば、次のようなケースが分かりやすい。参院選の公示は07年7月12日(投開票は7月29日)。直前ともいえる6月25日の、積水による4回分600万円の支出先は、全て「上野公成後援会」である。この日、選挙を前にした上野後援会は1日に600万円を受け取ったことになる。金の流れだけを見れば、「企業献金」に過ぎない。ただ支払われた名目が「政治資金パーティ4回分」だったことで、政治資金規正法上はセーフというのである。抜け穴というには稚拙過ぎる気がする。
ちなみに、この4回の「上野公正成後援会」主催政治資金パーティの会場は、赤坂プリンスホテルの「控え室」が1回、あとの3回は霞山会館となっている。実態があったのかどうか確認がとれないパーティばかりということになるが・・・。
積水のリストからは、さらに理解できない点が見つかった。
つづく
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