19日、柳川市議会最終日の本会議で、突如提案された伊藤法博議員からの「議長辞職勧告決議案」について、内容が不鮮明であったことから休憩に入り、その取り扱いが協議された。休憩の後、本会議の議題として日程にのせるかどうかの採決が行なわれ、採決の結果否決、上程されなかった。
この後、「石田市長答弁の矛盾点を解明する特別委員会」の報告が行われた。この特別委員会は、「柳川ホテル跡地問題」「ピアス跡地問題」「全日本同和会大和支部補助金問題」に関する石田市長の発言を検証するものであった。
最終報告の結びは「…政治は、最後に責任の取れる人でなくてはならない。(中略)議会制民主主義の根幹をなす市長と議会の関係において、特別委員会を出席拒否し、出席しても僅か20分ほどで無断退席をする。しかも『バカバカしい』と捨て台詞を残して、その後は、議長・副議長による出席再要請・副市長の忠告にも耳を貸さず議会を軽視、侮辱した行為は議会の名誉にかけて看過することはできない。(中略)万全の職務遂行と猛省を求め…」という内容であった。
報告の後、質疑と討論が行なわれた。反対討論で「議会多数派による偏った報告である」との意見も出たが、賛成多数で報告を採択した。午後8時過ぎ、予定を大幅にオーバーして本会議は閉会した。
12月定例会では、来年4月の市長選をにらんだ攻防が繰り広げられた。アスベスト調査委託料、「道の駅」不動産鑑定委託料などのいくつかの政策課題についての評価は、反市長派=議会多数派と市長擁護派=少数派の立場の違いによって異なることは当然であろう。しかし市長を批判する議会多数派に対し「反対のための反対」という安易なレッテルを貼ることは、議論そのものを否定することになる。そうした現象が見られたことは残念である。
また「道の駅」問題については、一部の議員がその中身を事前に知っていたようである。大多数の議員は12月1日の全員協議会で初めて知ったというし、市の幹部すら「知らなかった」と記者に語っている。12月1日の全員協議会の内容に不満をもった議員が資料提出を要求したのは当然のことだった。提出された資料には、具体的な工程表まで書かれていた。不動産鑑定委託料を認めると事実上の事業着手になる、という認識が生まれたのもうなずけることなのだ。
来年4月の市長選は、石田市政の検証と新しいまちづくりをどうしていくのかが争点となる。その際、首長としての資質、能力、見識が厳しく問われることになろう。
新柳川市が誕生してからもうすぐ4年。1市2町、とりわけ旧大和町の後始末に追われた4年間を、真に総括、解決し、新しいまちづくりのデザインと、それを推進していく首長を選択する日が近づいている。
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