上野公成元官房副長官の関連政治団体に対する、積水ハウスのパーティ券支払い状況はどう見てもおかしい。07年6月5日、積水ハウスから「上野公成後援会」に政治資金パーティ4回分計600万円が支払われている。内訳は次のとおりだ。(主催はいずれも『上野公成後援会』)
「セミナー8」・・・5月24日開催 会場・赤坂プリンスホテル控え室
「セミナー11」・・・6月13日開催 会場・霞山会館
「セミナー12」・・・6月20日開催 会場・霞山会館
「セミナー14」・・・6月27日開催 会場・霞山会館
この中で注目されるのは「セミナー8」。積水ハウスは、5月24日開催の「セミナー8」以前に開催された「セミナー9」と「セミナー10」にも支出はしているが、「セミナー8」から「セミナー11」に飛んでいる。9と10が抜けているのだ。
実は、同後援会主催の「セミナー9」と「セミナー10」という政治資金パーティに関する支払日はそれぞれ6月11日、6月22日となっている。「セミナー9」の開催日は5月30日、「セミナー10」は6月6日である。先に開催された政治資金パーティ「セミナー8」に対する支払いより、後になって開催されたものに対する支払いの方が優先されていたのである。「セミナー8」に対する支払いを忘れていた結果なのだろうか?
上野公成元官房副長官側の説明では、「政治資金パーティごとに別の案内を出した」としている。しかし、案内をもらい、当該パーティにも参加者を出したとする積水ハウスが、開催されたパーティの開催順を間違えるとは思えない。本当に政治資金収支報告書に記載されている通りの金の流れだったのかどうか疑問が生じる。
先に紹介したとおり、大和ハウス工業のパーティ券代支払い状況を見る限り、同じ政治団体主催の政治資金パーティに関しては、開催日と支払い日が順序良く並ぶ。積水ハウスの支払い順だけに狂いが生じていたということだ。積水ハウス側の都合なのか、あるいは請求ミスなのか判然としない。しかし、政治資金パーティの主催政治団体が同一である以上、銀行口座は固定されていたと考えられる。
複数の銀行口座を指定していたとしても、積水ハウスほどの企業が、振込先銀行をコロコロ変えるとは思えない。ましてや、1年3ヶ月という短い間に、50回もの政治資金パーティに支出しているのである。積水ハウスの振込先口座は政治団体ごとに、それぞれひとつだったと考えるほうが自然であろう。
とすれば、次から次へと上野公成元官房副長官側の政治団体に振り込まれた金が、いちいちどの政治資金パーティの分か区別されていたのかどうか、区別されていたとしたら、なぜ支払日順に狂いが生じたかの説明が難しくなる。上野元副長官関連政治団体の政治資金収支報告書の信憑性を検証する必要があるのだ。
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