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コダマの核心

歴史的価値観の激変による翻弄、生コン業界の救世主になるか 味岡和國氏 (株式会社 味岡社長)(9)
コダマの核心
2008年12月25日 11:46

4,000円割れ

株式会社味岡社長 味岡和國氏 大分刑務所工事に絡む生コンの積算で、立米4,000円割れという数字がでている。味岡社長に「これではセメントメーカーは、大分の生コン業者に対しては、タダで納めているということになるのですかね。そうでもないと、やっておれないと思のですが」と厳しい問いを投げかけた。味岡社長は「確かに指摘通りだ。メーカーが大分地区に対しては、タダ同然の覚悟でセメントを供給しないと、生コン業者の経営は成り立たない」と明確に回答した。

 「同じ徳山でも、セメントの仕入れ価格が熊本、宮崎、大分でバラバラなのは変な話ですね。立米100円、200円程度の差どころではないでしょう。大分地区の生コン業者に対するメーカーの指導は、どうなっていたのですか?」と、追い打ちをかけるように問うた(余談であるが、同品質のセメントが、県境を越えたとたんに単価が極端に変わるというのも、おかしな話だ)。「まー、メーカーの指導は皆無だと言える。それよりも、同業のオーナーたちが足の引っ張り合いをしているということでは、九州で最も状況が悪い。ここのオーナーたちは、九州で一番の意気地なしだ。具体的な話はよしておこう。信じられないような情けない話が、沢山あるよ」と、筆者が予想していたよりも事態が深刻である様子を物語ってくれた。

組合を解散し、新設する

 大分県内にある味岡グループの工場は、「立米6,000円を割るかたちで売ることはしない」との方針を打ち立てた。ところが、6,000円以上では注文がまったくない。売上不振になるのである。味岡グループでさえも、大分の価格戦争に巻き込まれてしまったのだ。結果、大分味岡生コンクリート(株)は赤字に転落してしまった。企業買収直後の1期目ならばともかく、2期目以降に赤字を出すということは、味岡社長にしてみれば初めて経験であり異常事態である。裏を返せば、大分の生コン組合を正常化させるために必要な時間的余裕は、残されていないということだ。

 まず、大分地区の既存の生コン組合を解散させた。組合を新生させるためには、旧来の腐れ縁を断ち切る必要があった(この腐れ縁の内実がおおやけになっていたら、大分の生コン業界全体が社会的制裁を浴びてしまう危険性があった)。解散までの間に、味岡氏は組合員であるオーナーたちに、世間の常識に至るまで、教授しなければならなかった。ここに至ってようやくオーナー達も、危機感を共有できるようになったのである(味岡社長によると、大分人のまとまりの悪さは、「江戸時代の県域内では、弱小藩が乱立しており、県全体としての郷党意識に欠ける」ことに帰結するのだそうだ)。

 タイムリミットは2009年4月1日。「この期日までに新生『大分地区中央生コンクリート協同組合』を旗揚げして、結束を図ることができるかいなかで、大分の生コン業界の将来が決まる」と味岡氏は読んでいる。以前にも述べた「熊本地区中央生コンクリート協同組合」では、同じく09年4月1日から生コンを立米13,600円で売り出そうとしているのだ。隣接する大分県の生コン業者が、それを4,000円で売っているとは、滑稽な話である。大分の業者の方々が、ボランティアで商売しているはずもない。味岡社長が大分の生コン業者の救世主になれるかどうかを、関係者は固唾を飲んで注目している。(続く)


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