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コダマの核心

歴史的価値観の激変による翻弄、生コン業界の救世主になるか 味岡和國氏 (株式会社 味岡社長)(10)
コダマの核心
2008年12月26日 08:55

統一工場造り

株式会社味岡社長 味岡和國氏 「100工場取得に向けての挑戦は、未だ道半ば」(近々、24ヶ所になる)の過程にある味岡社長は、先行きについては慎重にみている。「道半ばではない。まだたったの4分の1だ!! 大分の市況にしても、とても楽観視できない状況にある。あの三谷商事でさえ、買収した工場を業績不振でたたまねばならなくなるという現実を、目撃することもある。となると、買収に向け、単純に猪突猛進するわけにはいかない。油断をすれば、大きな穴に転落してしまう。そんな危険が待ち構えていることだってあるのだ。全国の生コン需要も、ピーク時に比して半減しており、今後、需要が急激に回復することはありえない。そうなると、過去の成功体験を捨て、新しい戦略を構築することが必要になってくる」。業界の状況は、既に新局面に移行していることを強調する、味岡社長である。

 地元あさぎり町周辺にある4ヶ所の生コン工場は、出荷をストップさせる目的で、デモを行なった。生コン業界だけでなく、建設関連業界全体が置かれている深刻な状況を世に知らしめる目的で、強行されたものだ。当初、熊本県内全域で出荷をストップさせる計画であったが、反対派により、個別に撃破されてしまった。味岡氏は「社会に対し、常にアピールし続ける努力をおこたると、必ずしっぺ返しが来る」と力説する。そこで、新局面に対処するために打ち出したのが、あさぎり町周辺の生コン工場を統合し、生産を集約化させる体制のスタートである。3工場を閉鎖して1工場で生産する。そのうえで、それぞれのシェア配分を確認するのである。この1工場生産体制という実験は、新段階へ向けての布石であるといえる。例え統一価格による共販体制を整えたとしても、地方の生コン需要が減れば、生き残りのため残された道は、共同生産しかない。最悪の事態を想定したうえでの、実験なのだ。

とりあえず、九州一の味岡ブランド確立へ

 「100工場取得に向けての挑戦は、今のところ道程の4分の1」ということであって、味岡氏は大義の旗を投げ捨てたわけではない。事態を冷静に眺めつつ、当分の間、スローダウンする覚悟をしたにすぎない。シリーズ①で描いたように、全国から連日、「会社を買ってくれ!! こちらに進出してくれ!!」との嘆願が寄せられてきており、その数は増えるばかりである。また九州一円だけでなく、味岡社長が四国、本州へと飛ぶ回数も、うなぎ登りとなっている。

 そこで知り合った人たちと名刺交換すると、どの人からも必ず異口同音に「あれー、味岡さんの本社は福岡ではなかったのですか?」と尋ねられる。これには味岡社長もがっかりする。「やはり、九州一の味岡となるためには、福岡市内に拠点を構えなくてはならない」ことを痛感している(生産量が九州一であることは間違いない)。「2009年には必ず福岡市に工場を構え、いずれは本社も同市に設置する。そうすることで、まずは九州一のブランドを確立したい」との、固く強い意志を持ったようだ。

 歴史的価値観の激変の真っただ中にある今こそ、福岡進出を果たす、絶好の機会であるともいえる。「ただやみくもに拡大すれば良いというのではない。辛抱するところは辛抱するのも、経営者の務めだ。務めというより経営者の能力である」と戒める味岡氏である。さすがに攻守のバランスがとれている経営者である。時代に翻弄されるような人ではない。さー、味岡グループが福岡に進出すれば、業界に新風を巻き起こすことであろう。09年は楽しい年になりそうだ。

(おわり)


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