2008年の建設業界は激動の1年だった。2007年の改正建築基準法の施行も合わせて考えれば、2年連続での受難の年である。
07年後半から問題が表面化していたサブプライムローン問題が08年になって火を噴き、08年上半期には不動産業者の倒産が増加した。この煽りを受ける形となり、建設業者の倒産は下半期に集中した。
7月の真柄建設の民事再生法を皮切りに、三平建設、多田建設、りんかい日産建設、新井組、井上工業、山崎建設、勝村建設、オリエンタル白石などが倒産した。ここに列記した企業は、上場会社もしくは過去に上場していた時期がある建設会社である。
今年下半期の建設会社の倒産を振り返ってみると、いくつかの特徴が浮かび上がる。1つ目は、資材価格の高騰などで収益性の悪化を招いていたこと。2つ目は、倒産したマンションデベロッパーへの不良債権や、連鎖倒産したゼネコンに対する不良債権の発生が最終的な原因となっているものが多いこと。3つ目は、過去に金融機関から債権放棄を受けるなど、一度救いの手が差し延べられたにも関わらず、経営再建できずに再び行き詰ったケースが多いことである。(つづく)
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