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特別取材

元気の良い住宅会社4社対談集(1)
特別取材
2008年12月 4日 10:29

昨年6月20日改正された「新建築基準法」施行の影響から7月、8月と対前年同月比で40%を超える新築住宅着工戸数の激減に見舞われた。
続いて米国発のサブプライムローン問題が対岸の火事どころではなくなり、全世界を震撼させるような金融危機となり、いよいよ実体経済までも揺るがすような事態に至っている。今回はそういった厳しい経済情勢下でも受注を落とさず、堅実な経営を続けておられる「元気印」の住宅会社4社にご登場いただき、現状認識と乗り切り策について語っていただく対談を企画した。

元気の良い住宅会社4社対談

元気の良い住宅会社4社対談

出席者(順不同)
山根木材株式会社福岡支店 支店長 藤木 直幸氏
スウェーデンハウス株式会社九州支店 支店長 中 眞一氏
辰巳開発株式会社 代表取締役 今村 重記氏
株式会社アイビックホーム 代表取締役 高倉 宏一氏

の4氏(以下 敬称略)

(千円)
会社名
所在地
設立
資本金
完工高
スウェーデンハウス(株)九州支店
福岡市博多区博多駅前4-9-2
1984/3
400,000
53,608101
山根木材(株)福岡支店
福岡市南区大池1-26-7
1951/4
116,375
10,021,064
辰巳開発(株)
北九州市八幡西区幸神4-7-6
1980/8
30,000
11,242,119
(株)アイビックホーム福岡支店
福岡市博多区西春町4-1-20
2000/3
90,000
  2,263,725
スウェーデンハウス、アイビックホームは2008年3月期
山根木材は2008年1月期、辰巳開発(単体)は2007年7月期

――経済状況も日を追うごとに厳しさを増してきており、日本もいよいよ景気後退期に突入したことを本日与謝野経済財政政策相が認めました。しかしそれ以前に実体経済の指標は急速に悪化し続けており、遅きに失したという感じですが皆様の実感はいかがでしょうか?
また、業界でも元気のある企業の皆様ですが受注状況はいかがですか?

藤木:いやー、売れなくなりましたねー。昨年夏のサブプライムローン問題発生からのメディアの報道等が先行き悲観論ばかりを煽るものだから、消費者マインド(心理)を冷やして悪循環に陥りました。確かに最近では私どもの体感温度はもっと厳しく、しかも悪化のスピードと規模の大きさは政府やマスコミ等のメディアの発表以上のものがあります。昨年夏から既に景気が悪化してきているのに政府の打つ手が遅すぎます。

景気対策にしても波及効果が大きい住宅に注力すると言いながら、貸し渋りともいえる金融機関の住宅ローンの審査は厳しくなる一方だし、環境問題に対処するための太陽光発電に20万円の助成金を出すと発表しておきながら、お施主様の要望で問い合わせると、「実際には(実施時期等は)未だ何も決まっておらず、早くて12月に間に合うかどうかという段階です」などと呑気なことを言っている。
経済への波及効果を考えるならば、即受付すべきなのに実施時期を先延ばしにするからお客様も「じゃー、決まってから契約しようか」となってしまいます。万事こういう風だから住宅会社の業績も改善されないことになります。

ただ、当社の場合はこういう環境下でも受注は好調です。2008年5月期の受注は78棟でしたが、今期は既に昨年並みの受注を確保しておりこれにどれだけ上積みしていけるか楽しみです。

高倉:確かに総合住宅展示場への来場者はピーク時に比べて30%近く落ち込んでおります。
前期の実績は完工ベースで87~88棟程度でしたが今期はこの数字を上回ることが確実です。当社の主力商品「素足の家」は価格的には積水ハウス、大和ハウス工業等の中でも、高級住宅商品群と同程度の価格帯です。当社では昨年10月鹿児島市伊敷台に土地を50区画購入し「エースホーム」を設立し、販売を開始しました。販売は予想以上に好調で既に7~8区画しか残っていません。こうした実績を反映し今期は100棟突破できると思っております。

中 :当社は福岡県を主力に大分営業所と合わせて前々期までは年間100棟ベースの受注を続けてきましたが、昨年は一寸苦戦し80棟と落ち込んでしまいました。今期に入っても上半期は当社の高品質高価格の物件の購入は所得面から難しいのではないかと思われるお客様のご訪問が多く、契約まで至らず苦戦が続いていましたが8月のお盆明頃から徐々に上向き始め9月~10月は対前年同月比で120%増と契約棟数が増えてきて既に昨年度と同数を確保しております。9月以降の契約物件は09年3月決算までに全てを完工するのは無理でしょうが、今後施工能力を強化して100棟完工を達成しようとしております。ただ来期への繰越物件が多数残りますので、今後予想される厳しい経済条件下でも来期の数字がどれ位伸びるか楽しみですね。

今村:たしかに(経済情勢は)厳しいですし、今後ますます厳しくなってくることは間違いありません。現にここ数年、北九州地区に新規の住宅会社の新規参入がないことが情勢の厳しさを物語っていると思います。福岡市でも貴社の情報誌『I・B』に書かれているように、生き残る地場デベロッパー(マンション主体の)は新栄住宅だけか? というように特に新興住宅会社への金融機関の貸し出し姿勢は厳しさを増してきております。これから年末を経て3月の年度末までの資金調達はますます厳しくなっていきますが、もし金融機関が1億円融資枠を拡大してくれれば4ヶ月間を凌げるのにと願っているところが大半でしょう。

受注環境は8月より急激に悪化してきております。特に8月は猛暑で外出される方が減少した上に、時差1時間の北京でオリンピックが開催されたことも住宅展示場巡りをされる方の減少傾向に拍車をかけたのだと思っております。当社の場合も、お盆過ぎのオリンピック終了後から徐々に回復基調になってきました。

ただし、サブプライム問題が徐々に実体経済へ影響を及ぼしてきた状況下に住宅を購入するには今後のボーナス減額への不安等が影を及ぼし始めてきております。特に最近の経済情勢の悪化に懸念する両親が子供に購入を控えるように勧めるといった事例が増えてきましたね。

しかし、ものは考えようで、土地価格は下がり、資材の高騰にも歯止めが掛かり始めた今は住宅の購入どきなのですがね。08年7月決算では販売棟数が約200棟でしたが、今期も数字を落とさず、毎期200棟以上を販売していくためには手持ちの在庫を考慮しても最低でも160区画以上の優良宅地を購入していかなければなりません。そういう意味でも悲観論ばかりでなくチャンス到来と思考するようにしております。

つづく

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