――さすがに皆さん、この未曾有の不況下でも積極的で自信に溢れた元気印の住宅会社ですね。しかし値下がり傾向により土地は購入しやすくなってきていますが、資材高騰の騰勢の方は収まりつつあるとはいうものの高止まりしております。
一方、今後の経済情勢で所得減少の不安に加えて食品等の加工費高騰に加え中国産品に対する安全への不安から、国産品シフトが起きています。今後、可処分所得が減少する中で果たして住宅購入まで予算を振り向けられるのかという心配がありますね。そのためには土地だけでなく資材購入コストや施工費のコストダウン等の課題が残りますがどういった対応、工夫をなさっておられますか? また、同業他社との差別化戦略はどういったものですか? また今後の営業戦略等まで差し支えの無い範囲で教えていただけませんか?
中 :当社の商品は平均的な坪単価は75万円~80万円と最高級価格帯です。元々北海道で生まれた住宅メーカーですので冬場の厳寒に耐えうる高性能、高耐久住宅を開発することを目指して、北海道よりも遥かに厳しい自然環境のスウェーデンの住宅をモデルにしました。トラス、構造部材から断熱木製サッシを含め部材の約70%近くがスウェーデンの自社工場からの輸入部材です。したがってコストは為替変動の影響を受けやすいのです。そういった意味では最近の円高は非常に大きなコストダウンへのインパクトがあります。しかも北米材を採用している他のツーバイフォー住宅メーカーに比べても木材の強度やコスト競争力に勝っております。
前にも述べましたが今上半期の来場者の中に所得的に弊社の商品に手の届かない層の方々が多かったのも、住宅購入希望者が「本物志向」に変わってきている傾向が顕著になってきている証でしょう。
他社と価格競争せずにファンを増やしていくにはどうすればよいかということで「体験宿泊展示場」を小郡、門司に2棟設けております。特に冬場の体験宿泊で他社との違いを体験していただき住まい勝手の良さを実感していただいております。体験予約は数ヵ月先まで埋まってしまっておりますが、皆様にも理想の住宅と思って頂けただろうと思います。
さらに、同じ住宅メーカーでも競合の少ない鉄骨系住宅メーカー2社との共同仕入れに取り組んでいます。他にも、全部材のコストダウン1%削減を目指して取引先へご協力をお願いしております。
今後の戦略については、50年間定期点検保証制度の周知をさらに徹底させて当社の商品への安心感、信頼感をもっと高めていきたいと考えております。また、今年の2月28日に大賞受賞が決定した「ハウスオブザイヤー イン エレクトリック2007」に対する評価をもっとPRしていきたいと考えております。スウェーデンハウスの住宅そのものが非常に省エネ型なんですが、消費する光熱費も削減できる徹底したオール電化型住宅なのだと言うことを認知して頂けるように努力していきます。
――「ハウスオブザイヤー イン エレクトリック2007」の大賞受賞は一条工務店さんとの同時受賞でしたね。
中 :ええ、一条さんは受賞後、「ハウスオブザイヤー イン エレクトリック2007」大賞受賞を最前面に打ち出して営業展開されて、それなりの効果を得ていらっしゃるようです。前にも述べたとおり当社も他にも幾つも品質的な長所を持っているために、欲がないといおうか? お客様への説明不足なところがありましたね。品質・性能的に優れた点をもっともっとアピールして、当社の商品は逆にコストパフォーマンス(費用対効果)的にも優れているんだということをご理解して頂けるようにしなければと思っています。
同時に、当社のお施主様方は大変仲が良く、当社でもバーベキューパーティ等を年に数回企画しております。他にもオーナーイベントとしてメンテナンス講習会を展示場で年間10回開催して、皆様のお住まいが美しいままで長期のご使用に耐えられるようにお手伝いしております。
すでに福岡、大分を中心に九州地区でも供給実績が800棟を超えました。出店10周年を迎えて、アフターメンテナンスを含めたリフォーム事業にも取り組んでいきます。
藤木:当社はこれほど変化の激しい時代に対応していくために、商品開発のスピードを更に速めることにしました。企画から新商品発表(発売)までの期間を3ヵ月間に短縮しました。今回の発売は11月初めに予定しております。
つづく