外務省幹部は4日、日中両国政府が6月に合意した東シナ海ガス田の共同開発に関し、権益配分などの条件を定める条約づくりのための初の政府間協議を、年内にも開く方向で調整に入ったことを明らかにした。かねてよりの懸案に、前進がみられることが期待されるが、交渉は、難航することも予想されている。
13日に福岡で開かれる日中韓首脳会談に合わせて行なわれる麻生首相と温家宝首相による会談で、最終的な日程が検討される見込み。
協議の主な争点としては、次の2点が考えられる。(1)中国が先行開発している白樺(中国名・春暁)ガス田については、共同出資することで合意をみているが、日本法人が出資する比率や権益の配分をどうするか。(2)新たに共同開発する、翌檜(同・龍井)ガス田南側の日中中間線を含む海域に関する、具体的開発区域や方法。
同協議は、福田康夫前首相退陣などの影響により、開催の日程が引き延ばされていた。