私立の認可保育園は自民党支持として知られてきた。福岡市内の保育園周辺に、自民党のポスターが目立つのはそうした理由による。その自民党の牙城ともいえる「保育」の分野に民主党が切り込もうとしている。
11月27日、衆議院第1議員会館で「民主党保育を考える議員連盟設立総会」が開かれた。議連の呼びかけ人は、鳩山由紀夫幹事長、蓮舫参院議員、小宮山洋子衆院議員ら6名である。設立の趣旨には、自民党が保育の世界でも規制緩和を行なったので、安心・安全が脅かされる事態になっているとしたうえで、「子ども達が今を最も良く生き、安心が確保され、誰もが信頼し預けられ、日本のみらいを作り出す、子ども達を育むための保育制度にしなければなりません」(原文のママ)とする。
安易な趣意書だと考えたのは記者だけではなかったようで、保育関係者からも「選挙目当て。農協などと同様、保守地盤を切り崩すため、保育に目を向けたのだろう。地方レベルで民主党の議員の不勉強を目の当たりにしているだけに、保育についてどの程度理解しているのか怪しいもんだ」とばっさり。こうした冷たい目に、どのような政策で応えるのか、民主党の本気が試される。