自動車製造業界の派遣社員切りが問題になる中、ガソリン価格の高騰により苦戦を強いられていた運輸業界(トラック運送、タクシー等)の採用が活発化しそうだ。一時はリッター190円近くまで高騰したガソリン価格も現在、県内では100円を切るスタンドも登場したという。「景気の底は見えないが、ガソリン価格は、あと三年はこのまま(安価)で推移していくのではないか」との業界関係者の希望的観測もあり、業界の活性化が予想されるという。「不景気になると、必ず受け皿の業界が出てきます。最近では2000年と02年に失業者が増えましたが、その時は、自動車製造業界が受け皿になってました。今回の不況では、確かに運輸関係の求人が増えてますね。当時の自動車業界ほど採用の規模は大きくはないですが」と、福岡市内の求人関連業者は語る。先日、タクシー業界大手の「ＭＫタクシー」(本社：京都市)が今後1年間で一万人の採用を行うことを表明した。さらに北九州の第一交通産業(株)も全国で来年3月までに6000人の採用計画を発表している。ガソリン価格の値下がりが大きく影響していることは言うまでもない。いずれにせよ運輸業界が活気づけば景気浮揚につながるのは間違いなく、大いに期待したい。