「例えばある物件に対して200立法㍍の生コンを使用するとして、組合価格が立法㍍あたり10,500円でアウトサイダーが9,500円とすると、20万円の差が生じる。この20万円が欲しいがためにゼネコンはより安く材料を仕入ようとする。安い生コンは当然品質が落ちるわけで、いくらJISの基準値をクリアしていても懐疑的にならざるを得ない。あと『シャブコン』の問題もある」と生コン販売会社の関係者は語る。『シャブコン』はミキサー車の中で練り混ぜながら施工現場に納品する際に、現場で型枠に流し込みやすくするために余分な水を加えてジャブジャブにした生コンのことである。生コンは、工場から工事現場へ納めるまでの時間として90分までが限度とされている。従って、組合加入の工場は地域ごとに設置され、90分以内に納められるような仕組みで稼働しているが、アウトサイダーは広域において納品している。『シャブコン』の横行は、納品する時間が90分を超える時に使われるという構図である。
(つづく)
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