再三報じてきた㈱丸美(福岡市)の詐欺的行為。各地の被害者が相次いで刑事告訴に踏み切るなか、福岡県警の情報収集が進んでいるようだ。
2006年、「合同会社丸美堺筋本町ビル」が無担保社債を発行。丸美が事務代行を行い入金口座も丸美のものとなっていた。しかし、「合同会社丸美堺筋本町ビル」が、実際には設立されていなかったことをネットI・Bニュース(10月30日付け)で報じていた。
この件について朝日新聞が元日の朝刊で報道。社会的影響の大きさが浮き彫りとなった。また、同社債は発行手続きが簡単で勧誘対象者が50人未満、発行総額が1億円未満の「少人数私募債」として発行されたにもかかわらず、約20億円を調達していたとされる。
さらに、(株)丸美が発行した社債も「少人数私募債」だったが、500人・団体に対し18億5,000万円に及ぶ額を発行。これらの行為についての法令違反も指摘されている。
いずれにしろ、架空会社による社債の発行は、丸美の経営内容に関係なく償還の意思が疑われる。架空会社である以上、債務者不在の形だったことになり、「はじめから騙すつもりだった」と指弾されて当然であろう。
今後更に被害者による告訴が増加すると見られるが、道義的責任だけでは済まされない事態となってきた。
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