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特別取材

<福岡の識者対談>2009年の日本・アジア経済を読む(その4)
特別取材
2009年1月 3日 07:39

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―日本は人口が減って市場はどんどん縮小するだけですが、今後どうすれば良いのですか

篠原: 業種によっては、たとえば来期100売れたものが70、下手したら60、50になる。回復させるには、製造業なら作るものがあれば穴埋めできる。しかし、それが無ければ1年間金融で埋めるしかない。ところが金融は疑心暗鬼になって動かないし、銀行からほとんど資金調達しなかったような大手企業が、直接金融から間接金融に変えてきた。大手が持っていくお金の量は膨大です。そうなると必然、中小企業にまわるお金が減ります。
立石: アメリカの博打的な、でたらめな経済がダメになった。今こそ地道な経済を考えるときでしょう。軽々しく言えませんが、人類のためになる時代になったと思います。
篠原: 09年は少しずつ小さじで削るような方法では経済はもたない。一本ずつ蛍光灯を外すとか、ちょっとずつ人を削るとか、そういう発想ではとても乗り切れません。1月中に抜本的にどう変えきるか、です。
国吉: やはり大げさかもしれませんが、有史以来の出来事でしょうね。以前は篠原さんのおっしゃるような細かい対処をして耐えていれば、いつか良くなるだろうという気持ちがもてた。しかし今回はまったく先が見えず、そういう気持ちはもてません。
篠原: こういう時代だからこそ経営者がどう動ききるか、その判断力や行動力が問われる時代です。そこが鈍かったらダメです。トップがトップにお願いしてビジネスにしていく気概が必要です。
立石: 私はこの3人が集まったのは、大変意義のあるタイミングだったと思います。100年前は世界の規模が小さく、グローバル化してない時代だった。それが今や、全世界がつながっています。今回の金融危機は人類始まって以来ではないかと思います。そういう意味では、08年12月13日に日中韓首脳会談を行ない、アジア経済の連携姿勢を示したのは画期的だったと思います。こういう大きく時代が変わりつつあるときに、我々もこうした対談ができたのは良かったと思います。

(おわり。詳細はIB本誌にて)

▼出席者(写真左から)
立石 揚志(西南学院大学 商学部 教授)
篠原 統(第一施設工業 代表取締役)
国吉 澄夫(九州大学 アジア総合政策センター 教授)

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司会進行: 弊社代表 児玉 直
文・構成: 大根田 康介


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