「鉄冷え」や「斜陽産業」などというマイナスなイメージを与えられて久しい鉄鋼業界。特に北九州地区には新日鉄八幡製鉄所をはじめとする製鉄各社が軒を連ねる。100年に1度の不況と言われる中での同業界の動向を随時、レポートしていく。
北九州市若松区に工場を建設中のアジア特殊製鋼(株)(本社:東京都新宿区)。同社は2009年3月からの操業開始に照準を合わせ、現在急ピッチで工場建設が進められている。同工場で生産されるのは自動車や造船、産業用機械向けに使用されるインゴット(鍛造用鋼塊)。年間150万トンの生産を予定している。
同社は寿工業(株)(本社:東京都新宿区)とポスティール(韓国のポスコグループ)の合弁会社。世界第3位の鉄鋼メーカーのポスコが日本で展開するための足がかりにしたい意向だが、世界的な金融危機の影響で自動車をはじめとする製造業は未だ先が見えない状況。同社の今後の動向が注目される。
【新田 祐介】
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