輸出関連企業が頼りにするのは、麻生首相ではなく米・オバマ次期大統領になりつつある。サブプライムローン、リーマンショック、金融危機、円高と急激に進んだ状況の悪化。特に円高の直撃を受けたのが輸出関連企業である。さらに米国内の不況は、自動車のビッグスリーまで破綻寸前に追い込んでおり、日本の自動車メーカーも大幅な減産を余儀なくされている。円高だけでも影響が大きいところに物が売れないとくれば事態は深刻。
米国経済が劇的に上向くとは思えないが、今月20日に就任するオバマ次期大統領の思い切った政策に期待するほかない。オバマ次期大統領は70兆円を超える財政出動を実施する方針とも報じられているが、実体経済への効果が出るまで数ヶ月かかるとみられる。
いずれにしても、補正予算(2次補正)を通すことさえおぼつかない麻生政権に期待を抱くより、オバマ次期大統領に期待するほうがよほど希望を持てる。ある輸出関連企業の役員は、「麻生?何も期待しない。アメリカの景気がよくなるほうが大事」と切って捨てた。
政権交代による経済状況の好転に期待が高まる米国社会。対して迷走を続ける麻生政権。他国のトップに頼らざるを得ない国内の輸出関連企業は、とうに現政権を見放しているのかもしれない。
【頭山 隆】
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