西松建設の裏金疑惑は、ついに国沢幹雄社長(70)の事情聴取にまで発展した。同社長への聴取は参考人としてということになっているが、裏金捻出とその使途に西松建設トップの関与がなかったかどうか、注目される。
西松建設の裏金をめぐっては、同社OBが代表を務めるふたつの政治団体の存在が明らかになっていたが、改めてその「集金力」を調べてみた。
「新政治問題研究会」「未来産業研究会」は、ともに千代田区平河町の同一マンション・同一部屋に主たる事務所を置く。
確認できる2000年から05年までの両団体の収入は、「新政治問題研究会」が2億3,061万144円、「未来産業研究会」は7,450万3,039円。合計すると3億511万3,183円となる。
昨日報じたように、収入の大半は会費収入と政治資金パーティである。政治資金パーティによる収入の比率は低く、会費収入の大きさが際立っている。
会費については、本当に政治資金収支報告書の記載通りに集められていたかどうか、疑問が噴出している。裏金を会費収入と偽っていたとしたら、6年間で3億円あまりが表の金に化けて政治家にばら撒かれたことになる。海外・国内の工事から捻出した裏金は20億円を越えるとされ、表に出ていない「違法献金」の大きさが想像できる。
ゼネコンに裏金はつきものという声もあるが、わざわざ自社OBに政治団体を作らせて金をばら撒く必要はどこにあったのか―。手口としては幼稚だという指摘もあり、真相解明が待たれる。捜査の焦点が裏金の使途であることは間違いない。
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