国内の鉄スクラップの市況は、2008年11月半ば以降に一旦上昇に転じた。しかし、昨年末にかけて徐々に低下となった。この結果、関東・中部・関西の3地域の昨年12月末の平均価格は、11月末とほぼ同水準となった。
これは世界的な金融危機の影響を受けた経済の急激な減速によるものである。特に自動車関連や建設業界などが深刻な影響を受け、大幅減産に陥っていることがあり、鉄スクラップの需給も大きく縮小する状況となった。
しかし、引き続き中国を中心に日本の鉄スクラップに意欲的な購入姿勢を示している国があることで、輸出価格は国内水準を上回っている。
【新田 祐介】
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