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特別取材

『曲がり角の越智産業』点検シリーズ(1)
特別取材
2009年1月19日 14:39

越智産業(株)「アイラブホームフェア」

 越智産業は1月17日(土)~18日(日)の2日間、マリンメッセ福岡(福岡市東区)において、福岡県を中心に九州・山口各県の取引先が参加する恒例の一大イベント「アイラブホームフェア」を開催した。

 一昨年の「新建築基準法施行」に始まった住宅不況は、昨年年初には立ち直るかに見えた。しかし、アメリカのサブプライムローン問題は世界金融不況へと飛び火し、世界中が大恐慌前夜という報道に怯え切った。そうした底が見えない不況に右往左往している最中の「ホームフェア」開催。協賛メーカー各社も、越智産業(株)がぶち上げた、動員目標1万名、売上目標50億円と言う数字に「大丈夫かいな?」と疑心暗鬼の様子であった。しかし、蓋を開けてみると、初日の17日だけで目標の81%となる8,100名が来場し売上も35億円超に達した。駐車場には各地から来場した大型バスが100台以上列を繋げ、加えて自家用車による来場もひっきりなしという状況だった。

 マリンメッセ福岡に連なる、福岡コンベンションセンターでは福岡家具商組合が同じ日程で家具の展示会を開催しており、客の奪い合いというよりも結構なコラボレーションとなり、
工務店や施主、一般客にとっては絶好の商談会の場ともなった模様である。

 18日の動員予想ついて、越智産業(株)常務取締役の井本満照氏は開場時間が1時間短いこともあり、『初日の半分もあれば……』と控えめに語っていたが、この日も至って盛況で、午後からの来場者も切れ目がないほどだった。
 新年早々、上々のスタートを切った越智産業であるが、会場で応対に追われていた社員たちの顔にも、自信と明るさが表れていた。

 出店企業数は159社(お土産店コーナーを含む)であった。09年のテーマが、「エコ、安心、快適」“進化する住まい提案”であるため、外断熱工法、屋根断熱工法、制震工法、200年住宅に向けての防蟻処理工法等に大きなスペースを割いていた。

 また、環境対策・省エネ住宅の普及を目指した、屋上緑化工法によるモデルハウスの出展も目立った。
 九州電力は三菱自動車製の電気自動車の現物を持ち込むとともに、オール電化住宅の提案等を行なっていた。
 需要に飽和感のある新築住宅向けだけでなく、リフォーム・リデュース需要に向けたアピ-ルも強烈で、キッチン、浴室等の水回り品コーナーへの人の流れが多かった。一昔前に人気を博したフローリングや木製建具等のコーナーの人だかりはこじんまりとしており、パナソニック電工、TOTO、INAX、タカラスタンダード、クリナップ等の住宅設備機器の売上が主流になりつつあるようだ。
 また、昨年夏にM&Aで傘下に収めた(株)松井も家庭用品・金物を中心に出展しており、越智産業(株)の今後の営業展開に彩を添えていた。

 また、福岡県を中心とした住宅業者・工務店約30社が工務店・リフォームコーナーとしてコマを設け、主として一般客からの問い合わせに応対していた。
 今回の不況も前述したように、底も見えず視界も不良で先も読めない状態であるが、越智産業としては3月期決算に向けた大きな足掛かりができたことは間違いあるまい。
 後は、不良債権を抱え込まないようにして前半の落ち込みをカバーしてもらいたいものだ。

【徳島 盛】

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