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特別取材

2009年の住宅関連見通し(3)
特別取材
2009年1月16日 09:30

日本版サブプライムローン問題

 1998年に当時の小渕政権が景気浮揚のために国策として住宅建設を取り上げ、住宅金融公庫(現・住宅金融支援機構)を通じ、米国のサブプライムローンと同種のローンを推進した。
当時、住宅ローンを組む場合、頭金を住宅価格の20%準備する必要が頭金ゼロでも融資を降ろせるようにした。
 住宅金融公庫の貸出金利を2.25%から2.0%に設定し、ローンを組んでから11年目には段階金利として4%に跳ね上がる仕組みを作った。
 まさに経済が右肩上がりに成長し、給料も年功序列賃金が保証され毎年これも右肩上がりに昇給して行き、金利が2倍に跳ね上がっても収入増により返済負担は変わらないという前提になっていた。

 ところが世の中の仕組みは一変する。バブル崩壊で経済再生のために過剰な雇用・設備・負債の圧縮が起きたのだ。これによりリストラで正社員を解雇し景気変動に合わせてフレキシブルに雇用調整できるように派遣社員等へ置き換えていき、賃金圧縮も可能な制度になった。つまりその後は正社員を含めて収入は右肩上がりから右肩下がりへと逆回転した。
ところが、このステップ償還制度は、10年間の金利が2%であったものが、11年目からは従来の2倍の4%に跳ね上がる。

 当時の借入額が2,000万円ならば最初の10年間は支払いは毎月6万6,252円だったのが、11年目からは毎月8万2,506円に増加する。もし、3,000万円の借り入れならば最初の10年間は毎月の支払いが9万9,378円であったものが、11年目からは12万3,759円へと跳ね上がる。
 実はその11年目が今年2009年になる。おりしも100年に1度あるかないかの金融危機の最中である。今後予想されるリストラやワークシェアリングによる収入減少、ましてや昨年からの企業倒産により収入の途を閉ざされた人々が、これからの苦難に耐えていけるであろうか? こうしてみてくると、住宅関連の諸指標は極めて厳しいと言わざるを得ない。

 資材関連も深刻で、メーカー各社は減産を強めている。国内合板製造最大手のセイホクグループも50%減産に踏み切った。
 住宅の構造材として北米材に比べて割安感があった杉材も世界的な住宅需要減退による外材の値下がりと、為替相場の円高により優位性を失っている。
 神戸の輸出梱包材メーカー向けに日田杉を大量に出荷していたT木材商事は、最近の輸出減少による需要減少に加え、3万円/m3で販売していた杉材が、円高の影響でNZ(ニュージーランド)材が2万9,000円程度まで値下がりし優位性を失ったという。
 三井住商建材も09年の暦年ベースの需要予測を08年比でマイナス10%で予算計画を組んだが、最近の急激な需要減退で、とても10%減では止まらないだろうという。
 3月決算に向けて建材問屋各社では展示即売会や決算セールのスケジュールが目白押しだ。
越智産業(株)も今月17~18日に福岡で『アイラブホームフェア』を開催する。
 各社ともに第2四半期(中間決算)の数字は深刻で、09年3月期の決算見込みを下方修正している。例年これらのイベントでメーカーからのリベート(販促費)を得て特別利益を計上し黒字化を図ってきた。
 しかしメーカー各社共に大幅な減益もしくは赤字決算が予想される中で、従来どおりの割引率で各問屋の収益確保に協力できるのであろうか?
 需要が激減していくなかで昨年以上の販売数量増を稼げるのかはなはだ疑問である。
 再々下方修正の発表がなければよいがと他人事ながら気を揉む。
 頼みの綱は、麻生首相が3年後に消費税を上げるとブチ上げたことだ。1996年に消費税が3%から5%に上がる前の駆け込み需要で史上空前の住宅着工戸数の伸びがあった。
 次回の上げ幅はその比ではない。しかしそれも一瞬の仇花でおわるのであろうが……。

【 徳島 盛 】

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