20日正午（日本時間21日午前２時）、アメリカ・ワシントンの連邦議会議事堂前で大統領就任式が行なわれ、第４４代大統領にバラク・オバマ氏（47）が就任した。アメリカ建国以来、初の黒人大統領が誕生した瞬間でもある。
　史上最多、250万人ともいわれる群集を前にオバマ大統領の就任演説（20分）が行なわれた。全世界の注目を集めた就任演説冒頭、オバマ大統領は「我々は今、危機のただ中にある」「この試練は本物」と厳しい現状認識を示すところから説き起こした。
　このあと、「立ち上がり、米国を作り直そう」と訴え「政府はやるべきことをやるが、国民の信念と決意こそ重要」「求められているのは新しい責任の時代。アメリカ国民1人ひとりが、自身と自国、そして世界に義務を負っていることを認識し、義務をいやいや引き受けるのではなく、喜んでとらえるべきだ」とつづけた。
　ケネディ大統領による就任演説の有名な一節「国が何をしてくれるのかではなく、国のために何ができるかを問おう」を想起させるとともに、さらに踏み込んだ表現となった。
　アメリカにとって歴史的なこの日。オバマ大統領の就任演説も歴史に残るものとなった。「チェンジ」に向けてアメリカが動き出す。

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