「生コン業界は、地味な産業だ。しかし基幹産業であることは間違いない。建物の基礎をつくるにはコンクリートが不可欠。その基礎材料である生コンの品質が疑わしい。今すぐ建物の被害が出ることはないだろうが、30年、50年と経過した頃に綻びが出てくる。建設業、そして人の命と生活の根幹を揺るがす問題だ」と情報提供者は力説する。神奈川県藤沢市の六会コンクリートによる「溶解スラグ」問題どころではないという。
「規定以上のアル骨反応が出る骨材が使われるということは、考えられない」と九州経済産業局の担当者の回答。
「しかし、その疑いがあるのですよ」と投げ返すと、
「今まで聞いたこともないし、起こったこともないので…」と同担当者。
波風を立てたくなさそうな様子と、前例主義を持ち出すさまを見るにつけ、残念ながら関係省庁の危機感は、皆無に等しいと思わざるをえない。(つづく)
【河原 清明】
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