―堀江さんが登場したとき、「こういう若者がこれからの日本を引っ張るんだ」と考える経営者もまわりにはいました。
堀江 でも、それは少数派でしょう。たとえば僕みたいな人間に期待していた人がいたとしても、同じようなことを経験した人たちだからこそ、そういう人が世の中に必要だということに共感を得るのでしょう。実際はそうじゃない人の方が基本的に多いから、共感できない。
やはり、自分さえ良くなればいいという人が多いのは事実ですから。根本的には今までのやり方を守りたい、保守的というかコンサバティブな人が多い。だから、なかなか現状を変えられないのでしょう。道徳とか倫理とかがごっちゃになっていますから。
たとえば会社を辞めて独立することにしても、失敗しようがしまいが自分の責任だし、そもそも定年まで今の会社が安定しているかは分からないじゃないですか。でも多くの人が「今の会社がつぶれるわけがない」と思っています。また、「なんで辞めるんだ」という親の考えも入ります。保守的な方が良いという教育をされていますからね。そもそも歴史がそういう流れになっているんです。
アメリカと日本がよく比較されますが、アメリカはもともと遺伝子的に革新的な人たちが集まった国ですから、やはり日本とは全然違うでしょう。日本は保守的な人が多いと思いますよ。そういう遺伝子、人種だし、思考もそういう風になっています。道徳や倫理感もそういうのが大元だと思います。
まあアメリカはアメリカで問題は色々ありますが、成長し続ける経済が何によってなされていたかと考えた場合、人口が増え続けるということが原動力となっていたことでしょう。人口が増えていかないと、これから経済が発展できません。その先に何があるのかは、僕にも分かりませんね。
【大根田康介】
*記事へのご意見はこちら
※記事へのご意見はこちら