「ひろしまの『知の拠点』再生プロジェクト」への参加するための協議を始めた章栄不動産(株)。しかし、広島市との協議は難航した。その理由は不動産市況の悪化によるものであった。同社は市側に(1)定期借地権の設定、(2)用地の分割取得、(3)地代の見直しの3つを要求したが、交渉は決裂。昨年12月にこのプロジェクトは白紙になった。
取材に対して、広島市側も「白紙になったことで困惑している」とコメント。また、広島市中区の不動産業者は「地場のデベロッパーの破綻が相次いだことで、不動産・建設業界の雰囲気が悪くなり、次はどこが破綻するのか」という話もでている、と厳しい表情で語っていた。
広島での相次ぐデベロッパーの破綻劇は100年に1度の大不況と言われる現在の状況の縮図のようであった。他の地域でも同様の出来事が起きている、または起きるであろうと予測できる。章栄不動産の破綻の影響が出てくるのは、むしろこれからなのかもしれない。(おわり)
【新田 祐介】
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