―会社をどのような理念で起こし、経営していこうと思われたのですか。
堀江 それは時期によって違いますね。直接的な話と理想との間で変わることもありますし。最初に会社を作ったときは勢いでしたからね。当時は日本経済云々というのはまったく考えていませんでした。
事業を起こしてどうこうというよりは、「インターネットの仕組みがすごいな」と思って、その仕組みを普及させるなかで中心的な役割を果たしたい、というのが会社を作る以前の考えでした。必ず普及するだろうと思っていましたからね。日本がどうこうではなく、そのころから世界的にインターネットで何かをしたいなと思っていました。
当時はIT系企業でバイトしていましたが、バイト先では何もできないなと感じました。まず、社長に大きなビジョンがなく、こじんまりやれれば良いという考えでしたから。また、上司との関係も独立するのに拍車をかけました。そういう経緯があって会社を作りました。
ただやはり、ネットビジネスの世界でヤフーやグーグル、マイクロソフトを目指していたわけですから、そういう意味では失敗というわけではないけれどもなかなか思い通りにはいかなかった。何とかそこに食らいついていこうという気持ちでした。
これまで私がやってきたことは、すべて「ヤフー、グーグル、マイクロソフトに勝つ」ということに集約されます。今では、結果的にそれは達成できなかったということになりますけど、当時はそれを目指していました。
だからフジテレビにしても、そのためのツールであり、ステップのひとつに過ぎなかった。テレビ事業がどうこうというのはどうでもよくて、単純に宣伝媒体として持っていたかっただけなんです。色々な人が色々な見方をしていますが、私としてはインターネットビジネスを伸ばすためのひとつのステップとしてしか考えてなかったですよ。
【大根田康介】
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